連続テレビ小説「なつぞら」第139話「なつよ、この十勝をアニメに」【第24週】

坂場家

リビング

坂場「は~い。」

なつ 優「おお~!」

なつ「いい香り…。」

坂場「長い間 ご苦労さまでした。」

なつ「ありがとう。」

坂場「うん。」

優「ご苦労さまでした。」

なつ「ありがとう。」

坂場「それじゃ…。 乾杯!」

なつ 優「かんぱ~い!」

坂場「お疲れさまです。」

なつ「はあ… 幸せな日だった。」

坂場「君は ちゃんと 作品を成功させて終わったからな。」

なつ「いや そういうことじゃないと思う。」

坂場「うん…。」

なつ「あなたと作った作品だって あの会社に残ってるでしょ。」

坂場「うん。」

なつ「私にとって どれだけ あの会社に入れたことが 幸せだったかってことを みんなが感じてくれたんだと思う。」

坂場「みんな 自分のことのように 君を送り出してくれたってわけか。」

なつ「うん… そうかもしれない。」

優「ママ 幸せなの?」

なつ「うん。 ママ とっても幸せだよ。」

優「優ちゃんも幸せ。 パパは?」

坂場「うん? パパは 優ちゃんと ママが幸せなら それで幸せだよ。」

優「自分の幸せは 自分で決めなさい!」

なつ「アッハハハ…。」

坂場「どこで覚えてくるんだ そういうこと…。 よし… 熱っ!」

マコプロダクション

<マコプロに入社した なつは 再会した仲間と すぐに 新しいアニメに取りかかりました。>

麻子「なっちゃんまで そろうと 何だか 一気に懐かしくなるわね。」

坂場「それでは 企画を説明します。 え~ タイトルは 『大草原の少女ソラ』で いきたいと思います。 ソラは 主人公の名前です。 原案どおり 開拓者一家の娘の目を通して 物語を描きます。」

なつ「ソラは 日本の人なの?」

坂場「名前に関しては 純和風でない方がいいだろう。」

神地「太郎や花子じゃ 昔話みたいだしな。」

下山「ソラ。 ソラちゃんか。 和風でもあり 洋風でもあって 親しみやすい いいじゃない。」

なつ「いつごろの話?」

坂場「時代は 大体 大正から昭和にかけて 舞台は 日本の北海道でも 作品自体は どこの国で見られても リアリティーを感じてもらえるような 開拓者の家族の日常を 描きたいと思っています。」

麻子「テレビ局にも スポンサーにも そう説明してある。 やるなら スポンサーは 一社提供で その会社名の冠がついた ミルコスまんが広場しかないと思ってた。」

坂場「日曜日の夜 ゴールデンタイムです。」

桃代「すご~い!」

下山「え… よく その枠が取れましたね。」

麻子「ミルコスの社長が 北海道の開拓者の生まれなの。」

なつ「え…。」

麻子「それが 決め手となって テレビ局を説得することもできた。 そして これは 関東プロダクションを通さない マコプロが独自に制作する テレビ漫画の第1作目になります。」

なつ「企画も制作も マコプロダクションですか。」

麻子「そういうこと。 だから 内容を 自分で自由に決められる分 絶対に 失敗はできないの。 放送は半年後 10月から9か月を予定しています。 視聴率が悪ければ 打ち切られることもあるけど…。 いいわね? 必ず いい作品にしましょう!」

一同「はい!」

麻子「それじゃ 作品の方針を イッキュウさんから。」

坂場「はい。 演出は 全て 私がやります。 僕だけじゃない。 ここにいるメインスタッフは 最後まで変わらずに 一つの作品を創り上げたいんです。 とことん 自分の世界を突き詰めてもらいたい。 奥原なつには全てのキャラクターデザイン 作画監督を委ねたい。 一人で 全てのカットに 責任を持ってもらいたい。」

なつ「分かりました。 よろしくお願いします。」

一同「お願いします。」

坂場「そして モモッチには 色指定と仕上げの検査を お願いします。」

桃代「分かりました! 頑張ります。」

なつ「モモッチ よろしくね。」

桃代「うん。 やってやるわ!」

坂場「それから 美術監督として 山田洋平さんを迎えたいと思います。」

なつ「えっ?」

下山「え… 山田洋平さん 来てくれるの!?」

麻子「彼は 私の同期でもあるの。 その縁もあって うちに来てくれることになりました。」

なつ「また 東洋動画から…。」

麻子「自分の意志よ。 私が 強引に引き抜いたわけじゃないからね。」

神地「陽平さんなら間違いないよ! 何たって 地元なんだから。」

なつ「実は 私も 美術は 陽平さんしかいないと思ってました。」

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