柴田家
居間
富士子「なつ… みんなで見てたわ。」
なつ『ありがとう。 どうだった?』
富士子「面白かったわ。」
なつ『じいちゃん 楽しめたかな?』
富士子「楽しそうに見てたさ。 牛が なめたところで笑ってたわ ハハ…。」
なつ『そう。 なら よかった。 それが きっかけで 牛飼いになる話だから。』
マコプロダクション
玄関前
「毎度 どうも。」
麻子「どうも。」
作画室
坂場「お帰りなさい… どうでしたか?」
麻子「うん… 視聴率は あんまり よくなかったけど 1回目だし 内容的には スポンサーも納得してくれたみたい。 ただ 話が地味すぎたかもしれないとは 言ってたけど。」
坂場「地味ですか…。」
神地「そんなの 始まる前から 分かってたことでしょう。」
麻子「テレビ局の中には あれで当たるなら 誰も苦労しないって 露骨に言う人もいたわ。」
桃代「ひどい!」
下山「それじゃ まるで僕たちが 苦労してないみたいじゃないですか。」
陽平「まあ それでも とにかく続けるしかないよ。」
坂場「続けましょう。」
神地「チクショー!」
<その後も 視聴率は あまり上がりませんでした。 放送がから ひとつきがたち 打ち切りの話も出かかった頃に…。>
玄関前
麻子「お世話さまです。」
<思いも寄らないことが起こったのです。>
作画室
麻子「これ 見て 見て!」
坂場「視聴者からですか?」
麻子「そう。」
下山「えっ 子どもからですか?」
麻子「子どもからのもあるけど ほとんどが親からよ。 『子どもと一緒に 楽しく見てます』って。 『子どもに こういうものを見せたかった』って。」
神地「新しいものを作ってるんだから そのよさを気付くのには 時間はかかるんだよ。」
なつ「頑張りましょう!」
麻子「うん。 ということで 私は もう限界。」
なつ「えっ?」
麻子「プロデューサーをやりながら 動画チェックを手伝うのは無理があった。 特に イッキュウさんの演出のもとでは。」
坂場「すいません…。」
麻子「それで 新しい人に 来てもらうことにしたから。 ね? 下山さん。」
下山「はい。」
なつ「えっ… まさか!?」