連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第134話「妖怪はどこへ消えた?」

あらすじ

水木プロダクションの仕事は激減していた。しかし茂(向井理)は、まだどこかでそれを“一時的なもの”ととらえようとしていた。ある日、テレビ局の取材者が仕事場に来て、茂にマイクを向けるが、視聴者受けを第一に考えるインタビュアーの質問に、茂は当惑。布美枝(松下奈緒)は、久しぶりに戌井(梶原善)の妻・早苗(馬渕英俚可)と会い、戌井が文庫サイズの漫画出版から手を引き、今は軽印刷の仕事に絞っていることを聞く。

134ネタバレ

水木家

仕事部屋

茂「何だ これは? おい。 どげなっとるんだ? 仕事が 何も入っとらんのか…。」

純喫茶・再会

(ドアベル)

マスター「いらっしゃい。」

布美枝「お久しぶりです。」

早苗「ごめんなさいね。 急に お呼び立てして。 近くまで来たものだから。」

布美枝「もう 何年ぶりかしら!」

早苗「うちが 埼玉に越して以来だから もう4年になるかしら。 先生 お変わりない?」

布美枝「ええ 元気です。 戌井さんは?」

早苗「すっかり しょぼくれてる。」

布美枝「あら ひどい。」

(2人の笑い声)

水木家

休憩室

光男「『月刊パイン』も今月までだし いよいよ 連載は 一本もなしだ。

茂「そう不景気な顔するな。 貧乏神が寄ってくるぞ。」

光男「しかし 非常事態だぞ。」

茂「だら! 1か月や2か月の事で つまらん事 言うな。 漫画を描いとればな こげな時期もあるんだ。」

光男「そうだな…。 あ そろそろ テレビの取材スタッフが来るぞ。」

茂「テレビか…。 あまり好きにはなれんが 嫌がらずに受けとれば そのうち 漫画にもつながるだろう。」

光男「今日のは 特別番組だそうだ。 『大発見! ここが驚愕の 妖怪スポットだ!』。」

茂「は~! 随分 仰々しいタイトル つけるもんだな。 気の弱い妖怪なら 驚いて引っ込むぞ。」

光男「まあ そう言うなって。」

男「ごめんくださ~い。 毎東テレビです!」

茂「ほれ 来た。」

光男「はい!」

純喫茶・再会

マスター「ごゆっくり どうぞ。」

早苗「悪いわね 出てきてもらって。 調布の駅に着いたはいいけど 私 お宅に伺った事なくて。」

布美枝「うちは 駅から遠いですから。 それに 今日は テレビの取材があるとかで うちの人も忙しくしとりました。」

早苗「テレビ? 相変わらず 先生 人気なのね~。」

布美枝「そうでもないんですけど…。 戌井さん お仕事の方は?」

早苗「北西出版の看板は 掲げてはいるけど やってるのは 名刺とか チラシとか 軽印刷の仕事ばっかり。」

布美枝「漫画の出版は?」

早苗「今は やってないの。 北西文庫の失敗が よっぽど ショックだったみたい。 うちの人 相当 自信 持ってたから。 昔の漫画を 文庫本サイズで復刻するアイデア。」

回想

戌井「北西文庫。 これは いけるぞ~。」

早苗「あら 随分 小さいのね。 」

戌井「この コンパクトなところが いいんだ。」

早苗「ふ~ん。」

戌井「しかも 安い。 手軽に買えて 置き場所にも 困らない。」

早苗「アハハ。」

戌井「う~ん。 これは いい!」

回想終了

早苗「だんだん軌道に乗ってきて 刷り部数増やそうかなんて 話してたんだけど…。 それから すぐ 大手が 漫画文庫 始めたでしょう。」

布美枝「ええ。 うちなんて あっという間に 吹き飛ばされちゃった。 戌井も さすがに がっくり来て もう漫画からは 一切 手を引くって 決めたの。 遠くに引っ越したのも 実は そのためだったのよ。」

布美枝「そうだったんですか…。」

早苗「私は いいのよ。 軽印刷だけ やっててくれた方が 家計的には 大助かりなんだから。」

布美枝「ええ。」

早苗「でもね…。 つまらなそうなのよ 戌井。 お酒 飲んでても ちっとも楽しそうじゃないの。 背中なんか しぼんじゃって まるで 半分 空気が抜けたみたい。 そんな姿 横で見てるのも つらいもんなのよね。」

水木家

仕事部屋

茂「ここ。 ええ。 妖怪というのは 気配のようなもんです。 昔の人は その気配を静かに観察して それを 妖怪と 呼んでいたんでしょうなあ。」

インタビュアー「つまり 妖怪は 実在する訳ですね? で どこに行けば 会えるんでしょうか?」

茂「どこって それは あんた 彼らのいる所を訪ねるんですよ。」

インタビュアー「もう少し具体的に お願いできますか? ご利益を もたらしてくれる妖怪っていうのも いますよね? どこに行けば出会えるのか それを ご紹介 願えますか?」

茂「ご利益というと?」

インタビュアー「宝くじが当たるとか 縁結びに効くとか…。」

茂「ちょっと待ちなさい。 妖怪というのは お助けじいさんではありませんぞ。」

ディレクター「先生 それは 分かってますよ。 ただ 多少は お得な情報も必要なんです。 昔ながらの古くさい 妖怪の話だけじゃ 視聴者も 食いついてくれませんから。」

茂「古くさい…。」

純喫茶・再会

布美枝「戌井さん もう漫画は 作らないんですか?」

早苗「口では そう言ってるけど きっと また性懲りもなく 始めると思うわ。 あの人ね しばらく遠ざけてた 漫画を また熱心に読み始めたの。 そしたら しぼんでた風船に 少しだけ空気が入ってきたみたい。 漫画バカは やっぱり 漫画やらないと ダメなのよね。」

布美枝「ええ。 そうですね。」

早苗「あ あのね…。 戌井が ちょっと気になる事 言ってたんだけど…。」

布美枝「何でしょう?」

早苗「うん…。 久しぶりに 水木さんの漫画 読んだら 最近のは ちょっと変だって言うの。」

布美枝「変?」

早苗「何か 足りないって…。 もしかして 水木さん 何か あった? あ ごめんなさい。 余計な事 言っちゃったかしらね。」

布美枝「あ いえ…。 実は… 漫画の注文 めっきり減っとって。 『仕事には 波があるものだ』って うちの人は 言っとりましたけど。」

早苗「長く描いてるんだもの 売れる時も 売れない時もあるわよね。」

布美枝「はい。」

早苗「戌井ったら 水木さんには いいものを 描き続けてもらいたいもんだから ちょっと 大げさに心配してるだけなのね。」

布美枝「ええ…。」

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