菊介「だけど おやっさん バルククーラーが使えないんじゃ 牛乳を冷やしておけないべ。 搾乳しても 出荷できないですわ。」
泰樹「牛だけは助けたい。 牛乳は 後でいい。」
照男「母さん 砂良 アイスクリーム屋を壊してもいいか?」
富士子「えっ?」
砂良「どうすんの?」
照男「じいちゃん 少しでも冷やせるように 水槽を戻すべ!」
泰樹「ああ 照男 頼む!」
照男「分かった。 地平 ついてこい!」
地平「はい!」
詰め所
照男「急げ! 地平 井戸水くんでこい!」
地平「分かった!」
牛舎
夕見子「おっ…。 何だ 私にも才能あるんでないの。」
なつ「イッキュウさん これも。」
坂場「分かった。」
なつ「お願い。」
坂場「よいしょ…。」
詰め所
照男「もう これが限界だ…。」
泰樹「しかたないべ。」
悠吉「牛は 全部 助かったんだ。」
菊介「乳房炎になった牛は きっと 一頭もおらんべさ。」
なつ「いかった!」
泰樹「よくやった 照男。」
照男「俺なんか まだダメだ。」
泰樹「いや そんなことはない。 よくやった。」
照男「じいちゃん…。」
泰樹「一番大事なことは 働くことでも 稼ぐことでもない。 牛と生きることじゃ。」
照男「うん…。」
泰樹「みんな よくやった。 ご苦労さん。」
<嵐が去った翌日 なつは 泰樹さんと一緒に 天陽君の畑に向かいました。>