連続テレビ小説「なつぞら」第17話「なつよ、これが青春だ」【第3週】

音問別農協

剛男「お願いします。」

「は~い。」

剛男「なつ! どうしたんだ?」

なつ「父さん 突然ごめんなさい。 こちらね 学校の倉田先生。」

剛男「ああ… なつが 大変お世話になっております。」

倉田「倉田です。」

剛男「あっ あの~ うちのなつが 何か問題でも?」

なつ「あっ 違うの。 倉田先生は 演劇部の顧問で 今日は 農協の問題を知りに来たの。」

剛男「えっ?」

「すいません。」

田辺「分かりました。 何でも聞いて下さい。」

なつ「あの~ 組合は じいちゃんに 手を焼いてるんですか?」

田辺「それは また ストレートな質問だな。」

剛男「すいません。」

なつ「すいません。 あの メーカーと 直接 取り引きをしたいという じいちゃんの考え方は おかしいんでしょうか?」

田辺「うん おかしいわけじゃないよ。 今までは それでよかった。 ただ 乳業メーカーが増えてね 酪農家を確保することが 競争になってしまった。」

田辺「それで 牛乳の価格の決め方が 問題になってきたんだ。 なつさんは 牛乳の価格が どうやって決まるか知ってるかい?」

なつ「脂肪分の割合ですか?」

田辺「うん。 牛乳は 脂肪分の検査によって 価格が決まる。 しかし 今は その検査も 乳業メーカーが行ってるんだ。」

剛男「その脂肪検査の内容は 酪農家には分からないんだ。 正しく行われてるかどうかもね。」

なつ「それは つまり…。」

剛男「つまり そこを変えたいんだ。 農協が 牛乳を酪農家から集めて 我々が 検査を行い それを 乳業メーカーに卸す。 そうすることで 酪農家の不信感もなくなるだろう。」

なつ「じいちゃんは 別に 不信感を持ってない。」

田辺「うん どのメーカーも 牛乳の量を欲しいわけだから 大きな牧場ほど大事にして その量を確保したいと思うよね。 そのために 待遇をよくしようとするはずだ。 例えば 柴田さんの牧場とか。」

なつ「その分 小さな牧場は 大事にされないということですか?」

剛男「そうさせないために 酪農家が団結する必要があるんだ。 我々 組合が 間に入ることによって 大きな牧場も 小さな牧場も 共存できるようになるのさ。」

田辺「なつさん 柴田牧場は 十勝一の牧場かもしれない。 しかしね 私はね この十勝全体を 全国一の酪農王国にしたいんだ。」

なつ「酪農王国?」

田辺「うん。」

道中

剛男「なつは 演劇をやりたかったのか。」

なつ「いや なんも。 じいちゃんのためになる って言われたから。」

剛男「じいちゃんの?」

なつ「それに 自分で答えを 見つけなくちゃいけないって 倉田先生に言われたの。 だから もっと 詳しく知ろうと思って。」

剛男「それで どう思った?」

なつ「農協の考え方は 正しいと思う。」

剛男「うん。」

なつ「うん… しっかりしてよね 父さん。」

剛男「分かった。」

なつ「うん。 よし。」

柴田家

玄関前

剛男「あれ? 誰か来てるな。」

なつ「うん。」

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