連続テレビ小説「なつぞら」第20話「なつよ、女優になれ」【第4週】

山田家

なつ「実はね 演劇部の倉田先生がね 天陽君に 舞台美術をやってほしい って言ってんのさ。」

天陽「舞台美術?」

なつ「そう。 なしても 天陽君に 背景の絵を描いてほしいんだって。」

天陽「何で…? なしてもってわけないべさ。」

タミ「いいじゃないの やってみれば。」

なつ「おばさんは 賛成してくれますか?」

タミ「私は 演劇のことは よく分かんないけど 光栄なことじゃないの。 うん。」

なつ「私もね 天陽君の絵が 舞台にあったら そりゃ すてきだおるなって思ったよ。 まあ 天陽君は あんまり やりたくないだろうなとも思ったけど。」

天陽「そんなことないさ。 それが なっちゃんや 雪次郎のためになるなら うん やってもいいよ。」

なつ「えっ? 本当に?」

天陽「うん。 まあ だけど あんまり 時間は取れないけど。」

なつ「分かってる。」

天陽「どんな舞台なの?」

なつ「あっ これが 芝居の台本。 読んでみて。」

天陽「ふ~ん。」

なつ「実はね 私が 演劇をやろうって思ったのは じいちゃんのことが きっかけなの。」

天陽「泰樹さん?」

なつ「うん。 じいちゃんが その芝居見て もし 感動してくれれば 何かが変わるような気がする…。」

天陽「『白蛇伝説』なのに?」

なつ「そう。 なのに。 ハハハ…。」

正治「なっちゃん 今 搾ったばかりのうちの牛乳 ちょっと飲んでみてよ。」

なつ「えっ?」

正治「なっちゃんとこの牛乳と どこが違うのか 見てもらいたいんだ。」

なつ「分かりました。」

正治「はい。 どうぞ。」

なつ「頂きます。 うん おいしい。」

正治「ハッ…。」

なつ「う~ん うちのと そんなに変わらんと思うけど。」

正治「そうだよね?」

なつ「うん。」

正治「いや なっちゃんところから 干し草も分けてもらってるんだし そんなに違わないように 努力してきたつもりなんだけど…。」

なつ「何か 問題あるんですか?」

正治「うん… 乳業メーカーがね うちの牛乳は 乳脂肪が低いって言うのさ。」

なつ「えっ?」

天陽「うちの牛乳は どのメーカーに持っていっても 格付けが低くて 安く引き取られるのさ。」

正治「おかしいよ 全く。」

柴田家

居間

なつ「ただいま。」

富士子「帰ってきた。」

明美「お帰んなさい。」

剛男「お帰り。」

富士子「はあ~。」

なつ「遅くなっちゃった。」

富士子「こんなに遅いのも 珍しいから ちょっと心配してたのよ。」

なつ「あ… ごめんなさい。」

富士子「もう そのままでいいから食べなさい。 疲れたしょ。」

なつ「うん。」

富士子「なつの取って。」

照男「お代わり。」

富士子「はい。」

夕見子「何杯食べんの?」

明美「なつ姉ちゃんの分 食べないで。」

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