カスミ「ありがとうございます。」
(拍手)
カスミ「あっ。 あなたが なつさんね。」
なつ「はい。」
富士子「お手間を取らせて すいません。」
カスミ「なつさんのお母さん。 いろいろと 事情があることは分かりました。 茂木社長からも 後は頼むと言われましたけど 残念ながら 私も 今は 咲坊が どこにいるかは 心当たりがないんですよ。」
なつ「そうですか…。」
カスミ「ごめんなさいね なつさん。」
なつ「あっ いえ…。」
カスミ「どうか お気を付けて。」
なつ「また じっと見られたわ…。」
川村屋
光子「どうでした?」
なつ「ダメでした。」
光子「そう… すぐにはね。」
野上「こちら お預かりのかばんです。」
富士子「いろいろと お世話んなりました。」
光子「今日は どちらへ?」
富士子「これから 宿を探すんですが どこか 安くていい所はないでしょうか?」
光子「それなら… うちに どうぞ。」
富士子「えっ? あっ… いや そんな!」
光子「従業員が住んでいるアパートで 寮みたいな所でよろしければ 空き部屋があります。 布団ぐらいならありますし 部屋代は タダですから。」
富士子「いいんですか?」
なつ「助かります。」
光子「そのかわり 食事は ここで なさって下さいね。」
富士子「当たり前です。」
なつ「食べます。」
光子「私 ケチなんですよ。」
富士子「あっ ハハ…。」
なつ「カレーライス 2つ下さい。」
光子「はい。 インド風カリーね。 お好きな所へ どうぞ。 カリー 2つね。」
野上「よろしいんですか? あんなやつの身内に 情けをかけて。」
光子「だからよ。 あの子がいれば 捕まえられるかもしれないでしょ。」
野上「あの子は 人質… ですか?」
光子「そうよ。 誰が逃がすものですか。」
なつ「あ~ おなかすいた!」
富士子「カレー 楽しみだね。」
なつ「そだね。」
<なつよ…。 明日を信じよう… ね。>