連続テレビ小説「なつぞら」第2話「なつよ、ここが十勝だ」【第1週】

子供部屋

富士子「やっぱり ぴったりだわ。 これ着て 学校に行けばいいわ。」

なつ「ありがとう おばさん。」

富士子「いいから。」

夕見子「ダメ! それはダメ! それは やんない! やりたくない!」

富士子「どうしたの? 夕見子。」

夕見子「それは 私が大事にしてるやつだもん。 嫌だ! 絶対にやりたくない!」

富士子「いいでしょや。」

夕見子「嫌だ! 絶対にダメ!」

剛男「なしたんだ?」

夕見子「嫌だ! 嫌だ 嫌だ 嫌だ 嫌だ 嫌だ…。」

夕見子「だだこねないの。 なっちゃんは 着るもんがないんだから。」

剛男「かわいそうだとは思わんのか?」

夕見子「ずるい… その子は ずるい!」

剛男「何が ずるいんだ?」

夕見子「その子が かわいそうなのは 私のせいじゃないもん! 何で 私が我慢しなくちゃなんないの?」

剛男「夕見子 いろいろ我慢してるのは なっちゃんの方なんだよ。」

夕見子「その子が 勝手に かわいそうになってるだけだべさ!」

剛男「何てこと言うんだ!」

夕見子「ずるい! ずるい ずるい ずるい…。」

富士子「したけど 着るもんがなかったら困るっしょ。」

なつ「大丈夫です。 着るものなんか要りません。」

富士子「えっ?」

なつ「すみませんでした。 あの… おじさん おばさん お願いがあります。」

富士子「何?」

なつ「私を ここで働かせて下さい。 何でもします。」

富士子「えっ?」

なつ「だから 私を ここに置いて下さい! 必ず いつか お兄ちゃんが迎えに来るって そう言ってましたよね? おじさん。」

剛男「ああ…。」

なつ「それまで ここに いさせて下さい。 働きますから。 何でもします。 お願いします!」

富士子「何も そんなこと…。」

泰樹「偉い!」

剛男「えっ?」

泰樹「いいんでないかい 働いてもらうべ。」

剛男「お義父さん。」

泰樹「その方が その子も ここに いやすいと言っとるんだべ。」

剛男「言ってませんよ。」

なつ「言ってます!」

泰樹「言ってるんでないか。」

富士子「いいから なっちゃん 気にしないで。」

なつ「ずっと働いてきましたから その方がいいんです。」

泰樹「ええ覚悟じゃ。 それでこそ赤の他人じゃ。」

剛男「お義父さん!」

泰樹「明日から 夜明けとともに起きて働け。」

なつ「はい!」

剛男「あの… 学校は?」

泰樹「学校など お前 体を壊したら 行きゃいいんだよ。」

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