連続テレビ小説「なつぞら」第31話「なつよ、雪原に愛を叫べ」【第6週】

なつ「アニメーター…。」

陽平「アニメーターが描いた絵を 一枚一枚 透明なセルに トレースし そのセル画を 僕たちが描いた 美術の背景画と重ね合わせて 一コマ一コマ 撮影してゆけば アニメーションになるんだ。」

なつ「なるほど… そういうことか。 私が ノートを ペラペラしてたのは そう間違いではなかったんだ…。 でも 本物は すご~い!」

仲「これ 前の作品のやつなんだけど 記念にあげますよ。」

なつ「えっ!」

仲「これ 僕がデザインしたキャラクターなんだ。」

なつ「ありがとうございます!」

仲「それから せっかく来たんで ひとつ テストしてみようか?」

なつ「テスト?」

なつ「薪割り?」

仲「この紙を 5~6枚使って 2枚の絵の合間を描いて 薪割りを完成させてごらんよ。」

なつ「そんなこと 無理です!」

陽平「ノートを ペラペラやってたんでしょ? それと同じだよ。」

なつ「えっ…。」

仲「じゃ 頑張って。」

なつ「え~…。」

なつ「あの~…。」

仲「できた?」

なつ「いや できたかどうかなんて 全然 分かりません。」

仲「どれどれ。」

仲「うん…。」

なつ「どうですか?」

仲「いや… なかなか いいよ。」

陽平「見せて下さい。」

仲「どう?」

陽平「なかなか いいじゃないですか。 ちゃんと 重力を感じますよ。」

仲「下山君 君の持ってきて。」

下山「はい。」

仲「彼は 先月 同じテストをして ここに入った 下山克己君だ。」

下山「どうも。」

仲「これが 彼の描いたやつ。 こうやって パラパラってやって見てごらん。」

なつ「うわ~。 動きが きれい! 全然違う。」

下山「あ… ちょっと見して下さい。」

陽平「あっ はい。」

仲「どう? 下山君。」

下山「いや いいですよ。 僕のより 迫力があるかもしれない。」

なつ「うそです。 全然ダメです。 下手です。 もう いいです…。」

下山「いやいや…。」

仲「僕たちが お世辞を言って からかってると思う? そんなに暇じゃないよ 僕たちは。 絵のうまい下手は 経験によって変わるけど 絵を動かす力があるかどうかは もっと大事な能力なんだ。 この絵には ちゃんと 君らしさが出てたと思うよ。 うん。」

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