なつ「本当ですか?」
仲「本当だよ。 ちゃんと勉強すれば アニメーターになれると思うな。
なつ「あ… なりたいとは別に…。」
仲「えっ 思ってないの?」
陽平「彼女の家は牧場なんです。 彼女も 農業高校に通っていて 酪農の勉強をしてるんです。」
仲「そうか… いや 残念だな~。」
なつ「女でも なれるんですか?」
仲「そりゃ なれるよ! だって 映画で お芝居していいのは 男しかダメってことはないでしょ? アニメーターだって同じだよ。 絵で 演技をするだけだ。 ここは 今 仮のスタジオでね もうじき 僕たちは 会社ごと 東洋映画に吸収される。」
仲「そこに 新しいスタジオが出来上がるんだ。 日本の映画会社も いよいよ ディズニーに負けないくらいの アニメーション映画を作ろうとしてるんだ。」
なつ「でも 私は 絵の勉強なんかしてないし…。」
仲「うん… 下山君。」
下山「はい。」
仲「君は ここへ来る前 何をやってたっけ?」
下山「あ… 警察官であります。」
なつ「警察?」
下山「はい。 警察で 絵の訓練をしていたであります! バン! バン!」
仲「ハハハ…。 勉強は どこにいたってできるよ。 まずは 人間のしぐさや 動きを よ~く観察すること。 日常のありとあらゆるものの中に アニメーターの訓練は潜んでるんだ。」
街中
<なつは 自分の想像力を 夢を そっと動かしていました。>
<なつよ その日もらった夢を 自分で動かしてみるか? なつよ…。>