(拍手と笑い声)
雪之助「え~ じゃあ 最後に なっちゃん!」
なつ「はい。 ありがとうございます。 私の目標は 東京で 漫画映画を作ることです。 あの… 戦争で死んだ父が書いた手紙に あの… 家族の絵があって 私は 空想の中で それを動かしてました。 昔が 生き返ればいいなって…。 そん時から 漫画映画は 私の中にあった 夢だったような気がします。」
なつ「天陽君の絵が その夢を 膨らましてくれました。 けど 現実の私を幸せにしてくれたのは 柴田家の家族です。 できれば… 家族のそばで 酪農を手伝いたいと思ってたことも 本当です。 だから それを裏切るのは とても つらいけど… 厚かましいけど…。」
夕見子「バカ。」
なつ「今は…。」
剛男「ありがとう なつ! それは 裏切りじゃない。 それは 成長だ。 9年前 まだ9歳で この北海道まで来て 十勝に来て うちに来て ここまで成長してくれて 本当にありがとう。 なつ… 父さんは 本当にうれしい。」
なつ「父さん…。」
富士子「なつ。 みんな応援してるから 元気に行っといで。」
天陽「なっちゃん 今まで 本当にありがとう。 俺は なっちゃんが好きだ。 それは これからも変わらない。」
(拍手)
なつ「ありがとう…。」
柴田家
新牛舎
泰樹「(泣き声)」
<なつよ… その手に ふるさとを持っていけ。>