連続テレビ小説「なつぞら」第51話「なつよ、夢をあきらめるな」【第9週】

佐知子「ごゆっくり。」

仲「正直 君の絵は悪くなかったよ。」

なつ「えっ?」

仲「それで 何で 君が落ちたのか ちょっと調べてみたんだけど…。」

回想

山川「奥原なつ?」

仲「この絵を描いた子ですよ。 私の評価を どうして無視したんですか? なぜ落としたのか 理由を聞かせて下さい。」

山川「ああ この子は 社長の判断で落としたんだ。」

仲「えっ?」

陽平「大杉社長が?」

回想終了

陽平「なっちゃん… つかぬことを聞くけど 君のお兄さんは 何かの党に属してる?」

なつ「えっ?」

陽平「政治的な党に。」

信哉「咲太郎がですか?」

なつ「どういうことですか?」

仲「どうやら 君のお兄さんが 東洋の大杉社長に会ったらしいんだよ。」

なつ「お兄ちゃんが?」

回想

大杉「あの子は ダメだ。 はじいて。」

「そうですか? この絵の動きは なかなか面白いと思いますが…。」

大杉「以前 あの子のお兄さんに 挨拶をされてね。」

「は?」

大杉「アータ あの子の兄は 新劇をやってるんだよ。 赤い星座だよ。 あそこは 戦前から プロレタリア演劇の 流れをくむ劇団じゃないか。 しかも あんな愚連隊だか 太陽族だか分からないような 不良の兄がいる子を 入れるわけにはいかないよ アータ。」

回想終了

なつ「そんなことないはずです! 兄が そんな…。」

信哉「そうです。 あいつが そんな深いとこまで考えて 新劇をやってるとは思えません。」

陽平「だけど 社長には誤解されたんだよ。」

仲「誤解とはいえ… いや もう 本当に腹が立ったよ。」

陽平「結局 社長の鶴の一声で落ちたらしい。」

信哉「バカだな 咲太郎は…。 余計なことしなけりゃ なっちゃんが入れたかもしれないのに…。」

仲「なっちゃん 今回の結果を 覆すことはできないんだけど 9月に また 仕上(しあげ)の試験があるんだよ。」

なつ「しあげ?」

仲「うん。 セル画に色を塗ったり トレースしたり アニメーターの勉強にもなる。 まずは 中に入ることが大切だからね。」

陽平「仕上には 高卒の女子も多いから 今回より 間口は広いと思う。」

仲「お兄さんへの誤解も解くから どう それに挑戦してみない?」

信哉「なっちゃん…。」

なつ「します! 仲さん 陽平さん ありがとうございます!」

川村屋

社員寮

なつ『拝啓 母さん 父さん じいちゃん みんな 元気ですか? 東洋動画の試験は不合格でした。 知らせるのが遅くなって ごめんなさい。 自分が 何をしたらいいのか 分からなくて 考えているうちに 時が過ぎてしまいました』。

なつ『 9月に 仕上という 映画に 色をつける仕事の募集が あることを 陽平さんたちから教えて頂きました。 その試験に挑戦したいと思います。 私は やっぱり 漫画映画を作ることを 諦めたくありません。 こんな私ですが 皆さん 応援よろしくお願いします』。

なつ「お兄ちゃん…。」

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