連続テレビ小説「なつぞら」第55話「なつよ、絵に命を与えよ」【第10週】

桃代「なまら? 何してるの?」

なつ「先輩 やっぱり すごいです。 こんな絵 こんな動き 私には描けません。」

桃代「それは 当然でしょ。 ちゃんと そういう人が 描いてるだから。」

なつ「どんな人が 描いたんでしょ…。」

桃代「その袋に 名前書いてあるでしょ。」

なつ「えっ? あっ 仲さんだ! 仲さんが描いたものなんだ。」

桃代「知り合いなの?」

なつ「はい。 私も 仲さんみたいになりたいと思って ここに入ったんです。」

桃代「ん? あなたも 作画をやりたいってこと?」

なつ「あ… でも 仕上げも頑張ります。 頑張ります!」

なつ「うっ ダメだ…。」

桃代「どうしたの?」

なつ「いや… これが 映画館に映されるかと思うと 緊張しますね…。 手が震えて はみ出しそうです…。 試験の時は こんなこと なかったんですけど…。」

桃代「大丈夫よ はみ出しても消せるから。」

なつ「えっ そなんですか!」

桃代「うん。」

なつ「いかった。 失敗しても大丈夫なんですね。」

桃代「いや 大丈夫じゃないけど まあ すぐ慣れるわよ。」

なつ「はい。 先輩は もう何年もやってるんですか?」

桃代「半年。 今年の4月からだから。」

なつ「えっ…。」

桃代「ん? 私 19歳よ。」

なつ「私と同じですか。」

桃代「だから 先輩なんて呼ばなくていいの。

なつ「あ… いや 先輩は先輩です。」

桃代「フッ…。 慣れたら モモッチって呼んで。」

なつ「モモッチ?」

桃代「森田桃代でしょ。 なぜか みんな モモッチって呼ぶのよね。」

なつ「モモッチ先輩。」

桃代「先輩は いらないから。」

なつ「モモッチさん。」

桃代「そのうち さんも取っていいから。 あなたは 何て呼ばれたい?」

なつ「う~ん 私は 名前が なつなので 割と早めに なっちゃんと呼ばれることが 多いですね。」

桃代「ふ~ん。 あのね なっちゃん。」

なつ「はい。」

桃代「慣れてきたらでいいんだけど 話す時は なるべく 手を動かしながら話そうか。」

なつ「はい すいません!」

桃代「うん。」

富子「うん なかなか うまいじゃないの。」

なつ「え 本当ですか? ありがとうございます。」

富子「それで何枚目?」

なつ「1枚目です。」

富子「遅い!」

なつ「すいません…。」

富子「まあ 初めだから しかたないけど。 丁寧なのは いいことです。 筆に水をつけ過ぎると ムラになるから 気を付けてね。」

なつ「はい。」

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