(笑い声)
カスミ「ほら レミちゃん 咲ちゃんに頼んでみなさいよ。」
レミ子「え いきなりですか? こんな所で…。」
カスミ「そのために来たんでしょ 今日は。」
咲太郎「何だよ レミ子 俺に頼みって何だ?」
なつ「えっ もしかして 結婚…?」
咲太郎「おい まさかだろ それは!」
レミ子「え~!」
亜矢美「そうなの…!?」
咲太郎「違うよ 絶対違えよ…。」
レミ子「はい。」
カスミ「熱かん お願い。」
亜矢美「は~い。 今日はステージ?」
カスミ「うん。 フフ…。 実はね… レミちゃん 新劇やりたいんだって。」
咲太郎「えっ レミ子が?」
カスミ「あれ見て感動したんだって。 それでね 咲ちゃんの劇団に入りたいんだって。」
咲太郎「おお そうか!」
レミ子「今更 遅いかもしれないけど…。」
亜矢美「レミちゃんって 今 おいくつだっけ?」
カスミ「咲ちゃんと同じ。」
亜矢美「25か…。」
咲太郎「大丈夫だよ レミ子。 俺は応援するよ。 何もできないけど。」
レミ子「咲ちゃん… ありがとう!」
咲太郎「そうだ! レミ子だよ! レミ子でもいけるんだよ 漫画映画は!」
レミ子「えっ?」
咲太郎「レミ子も 絶世の美女になれるんだ!」
レミ子「私が絶世の美女に?」
咲太郎「いや… パンダかもしれない。」
レミ子「パ… パンダ?」
なつ「さ~て 私も頑張ろう。 ごちそうさまでした。」
亜矢美「は~い はいはい…。」
2階なつの部屋
<なつは それからも必死に きれいな線で動画を描く練習を 続けました。>
東洋動画スタジオ
試験会場
<そして 再び 試験に挑みました。>
下山「お~ 今日も決まってるね。」
なつ「おはようございます。」
下山「おはようございます。」
なつ「おはようございます。 おはようございます。」
なつ「奥原なつです。 よろしくお願いします。」
井戸原「座って。 はい それでは 制限時間は 今日一日の就業時間内 8時間。 それまでに 5枚以上の動画を 完成させるように頑張って下さい。」
仲「では 始めます。 よ~い スタート!」
<じいちゃん…。 じいちゃんは くわを手に まだ何もない大地を耕しました>
回想
泰樹「漫画か映画か知らんが 東京を耕してこい! 開拓してこい!」
回想終了
なつ<私は 鉛筆を手に まだ何もない世界を耕しています。 じいちゃんの歩いた道は まだまだ遠いけれど いつか そこに たどりつけるように…>