庭
<兄は 別れる時 私に 手紙を書くと言いました。 うそをつくような兄ではありません。 兄から手紙が来なければ 妹の行方も分かりません>
なつ「あっ! 大丈夫!?」
明美「(泣き声)」
回想
なつ「あっ 血が出てる…。」
千遥「お母さん お母さん!」
なつ「大丈夫 お姉ちゃんがいるから。」
千遥「お母さんに会いたい! お母さ~ん…。」
なつ「大丈夫だってば!」
千遥「(泣き声)」
回想終了
明美「(泣き声)」
夕見子「ちょっと 何してんのさ!?」
明美「(泣き声)」
夕見子「明美 大丈夫? 何してたのさ!」
なつ「えっ…。」
台所
夕見子「お母さん!」
富士子「なしたの?」
夕見子「あの子が 明美を泣かしてた。」
富士子「え~? どしたの?」
なつ「ごめんなさい! でも…。」
富士子「もういいから… 明美の世話はいいから あんたは おじいちゃんの仕事 手伝ってきて。」
なつ「はい…。」
なつ<私は 考えていました。 兄は 私が会いたいと 手紙に書いたものだから これ以上 寂しがらせないように わざと 返事を書かないのではないかと…>
なつ『お兄ちゃん 私は大丈夫です。 私は 幸せです。 みんな 優しくしてくれています。 どうか 私のことは心配しないで』。
玄関
なつ「さようなら…。」
<なつは その朝 突然 東京に帰る決心をしたのです。 なつよ 東京は遠いぞ。 来週に続けよ。>