連続テレビ小説「なつぞら」第98話「なつよ、テレビ漫画の幕開けだ」【第17週】

劇団赤い星座

稽古場

福島「それじゃ 今から 次回公演の『かもめ』の配役を発表します。 アルカージナ 亀山蘭子。」

蘭子「はい。」

福島「トレープレフ 小畑雪次郎。 小畑雪次郎!」

雪次郎「はい!」

虻田「ちょっと待って下さい。 その配役に 異議を申し立てます。」

福島「異議?」

虻田「小畑雪次郎が なぜ 主役に選ばれたか その理由を説明して下さい。」

福島「何だ? 君たちは…。」

「我々は この配役が 一人の俳優の 私情によって決められていることに 問題を提議します!」

福島「それは 全く事実無根だよ 君。」

虻田「我々の意見も聞き入れ 新たに 劇団の総意として 演目と配役を選ばれることを 要求します。 それができなければ 我々は この公演に 一切 協力することはできません。」

蘭子「しかたないわね。 できないという人に 無理に参加してもらうことはないわよ。」

おでん屋・風車

1階店舗

なつ「雪次郎君が主役に?」

レミ子「それに 若手の劇団員のほとんどが異議を唱えて 公演をボイコットするって 言い出したのよ。 そしたら 蘭子さんも それを認めちゃって…。」

咲太郎「雪次郎との関係を認めたのか?」

レミ子「そうじゃないけど… そう思われたと思う。」

咲太郎「はあ~ やっぱり うわさは本当だったか!」

劇団赤い星座

稽古場

雪次郎「そんなうわさは 事実じゃありません! 蘭子さんに失礼です!」

「自分の実力だけで 大きな役をつかんだと思ってるのか?」

「たとえ 恋愛関係になくとも 君が亀山蘭子から えこひいきを受けてるのは事実だ。」

雪次郎「じゃ 俺に どうしろって言うんだよ!」

虻田「我々は 君の力を買ってる。 いや…我々こそが 君の実力を認めてるんだ。」

「そうだ!」

「そうよ!」

虻田「我々と一緒に 新しい劇団を創らないか?」

「一緒にやろう。」

「小畑。」

「雪次郎。」

「雪次郎君。」

「小畑君。」

虻田「新しい演劇を創らないか 小畑雪次郎!」

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