連続テレビ小説「なつぞら」第98話「なつよ、テレビ漫画の幕開けだ」【第17週】

なつ「仲さんは 短編映画を 褒めてくれたじゃないですか。」

坂場「あの人は… 本音を見せないからな。 あの人が描く絵と同じように 誰にでも いい顔していたんでしょう。」

なつ「何を すねてるんですか! あなたらしくない…。」

坂場「君のことも それに 巻き込んでしまったかもしれないんです。」

なつ「えっ?」

坂場「それが悔しくて…。 1本くらいは 君と 長編漫画映画に挑戦してみたかった…。 この会社にいても その可能性は もうないだろうな…。」

なつ「そんなこと まだ分かりませんよ!」

露木「そう まだ分かりませんよ。 君をテレビの演出にしたのは 私だよ。」

なつ「えっ 露木さん…。」

坂場「露木さんが?」

露木「うん。 君は 全く新しい環境で 演出家になった方が 伸び伸びできるんじゃないかなって そう思ったんだから。 だから テレビに行っても くさるな。」

なつ「そうですよ。 テレビで また 頑張ればいいじゃないですか!」

露木「そりゃ 君は 多くのアニメーターからは嫌われてるよ。」

なつ「えっ?」

露木「そりゃ あれだけ理屈で攻めたら もともと感性で動く 芸術家肌のアニメーターたちから そっぽを向かれたって これは しかたないことだ。 それに労働組合の幹部なんかやってるから 会社からだって煙たがられてる。 君の味方は ほぼいない。 もうゼロだな…。」

なつ「あの… くさるなって言ってるんですよね?」

露木「そう だから くさるな。 くさったら負けだ。 人に嫌われる勇気を持つことも 演出家にとっては大事な資質なんだ。 君は 生まれながらにして その資質ってもんが備わってる。」

なつ「それは励ましですよね?」

露木「もちろん。 新しい環境で 自分を磨くチャンスだと思って頑張れ。」

坂場「はい 分かりました…。」

露木「あほんだら お前 声ちっちゃいねん。 自分も 関西出身やったらな 根性見せたらんかい。」

なつ「えっ 関西出身だったんですか?」

坂場「中学までは 神戸にいたんです。」

露木「そうやで。 え~っと あきちゃん? あっ ふゆちゃん? あっ… はるちゃん?」

なつ「残ってるのです。」

露木「あっ なっちゃん…。 坂場のことを頼むな。 内助の功で しっかり支えてやってくれ。」

なつ「はい 分かりました。 えっ 今 何て言いました?」

露木「えっ? めちゃくちゃ うわさになってるよ。」

なつ「えっ?」

露木「ハハ… じゃ お疲れ。」

なつ「うわさって何ですか? えっ… ねえ うわさって何だろう?」

坂場「さ… さあ…。」

なつ「さあって どうするの? そんなうわさ。」

坂場「う… うわさなんて 気にしなくてもいいでしょう…。」

<2人の関係は 周りが思うようには 近づいていないようです。>

坂場「では。」

なつ「そうですか…。」

<数日後 新しい部屋に テレビ班の作画室が置かれました。>

作画課

荒井「商売道具やろが 大事にせんか ボケ! それ こっちや!」

「あっ…。」

なつ「何ですか あれは!」

猿渡「新しく来た制作進行だよ。 人手が足りないから 京都の映画撮影所から読んだらしい。」

荒井「おい おい おい おい… そこの3人 何 ぼ~っと立っとんねん。 手ぇ出さんかい ボケ!」

3人「はい!」

茜「私 無理かも…。」

<そして そのころ 雪次郎君にも 人生の転機が訪れようとしていました。>

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