回想
蘭子「そのことを考えると この身を引き裂きたくなるのです!」
(拍手)
回想終了
雪次郎「蘭子さんと共演することが 亀山蘭子という女優と 共演することが夢で そのために ここにいます。 だから 今は 辞めるわけにはいきません。」
虻田「亀山蘭子が 君の夢か? それなら その夢を追いかける方が 今の君には楽だもんな。 悪いけど 俺たちは先に行かせてもらおう。」
おでん屋・風車
1階店舗
なつ「とにかく 雪次郎君の気持ちは 純粋に芝居だけに向かってることは 確かなの。」
亜矢美「だとしたら 余計に苦しい立場だね。」
なつ「えっ…。」
松井「やっかみだよ やっかみ。 しかし 劇団ってところは 昔とちっとも変わらねえな 亜矢美ちゃん。」
亜矢美「フフ まあね…。」
松井「亜矢美ちゃんも 売れ始めた頃は さんざん 周りの踊子に いじめられたもんな。 客と恋愛なんかするなとかさ。」
なつ「えっ 何ですか? それ。」
亜矢美「いや もう 忘れちゃったって…。 あ~ もう そんな大昔の話やめてよ 松ちゃん。」
松井「しかし それに比べると 雪次郎の方は 名優と若手の恋か…。 演劇界では よくある おとぎ話みてえなもんだな。」
島貫「おっ 亀山蘭子に 竜宮城に連れてってもらうのか。」
松井「アハハハハ…!」
なつ「そんな失礼なこと言わないで下さい!」
<なつよ むきになるのは 恋のうわさに 君もイライラしているからか?>