場面変わって金獅子亭に偵察に来るゆとり
汐見ゆとり「凄いドロドロでガツンガツン!」
有栖涼「この金獅子亭はとんこつの使用量が半端じゃないからねー」
汐見ゆとり「有栖さん!」
有栖涼「煮込んだとんこつを砕いてまた新たなとんこつを加えて煮込んだらまた砕いてを繰り返して、このポタージュのような濃度のスープを作りあげてるんだよ。」
場面変わってグルテンハウスにも偵察に来ているゆとり
汐見ゆとり「モッチモチでプルプル麺が口の中で暴れてるみたい」
有栖涼「凄い噛み応えでしょ!グルテンハウスの売りはこの麺なんだよ。讃岐うどんにも使われている小麦粉オーストラリアンスタンダードホワイトを混ぜることで、この弾力を生み出しているんだよ。」
汐見ゆとり「有栖さんさっき別のお店に行ったハズじゃ?」
有栖涼「僕は美味しいラーメンとつけ麺の店には時空を超えて食べに来ることが出来るんだよ!」
汐見ゆとり「怖いw」
場面変わって清流企画の調理室にて
芹沢達美「早いわね」
汐見ゆとり「社長おはようございます」
芹沢達美「つけ麺あんざいの新メニュー作り?」
汐見ゆとり「昨日思いついて順調そのものです!実はですね」
芹沢達美「メニューの説明はいいわ。それよりコンサルの方針を簡潔に説明してみて」
汐見ゆとり「そんなの決まってますよ!あのつけ麺激戦区でつけ麺あんざいを一番美味しいつけ麺屋さんにすることです!」
芹沢達美「一番美味しいつけ麺屋さんねー、ということはつまり、つけ麺界のツートップ「金獅子亭」と「グルテンハウス」の味を超えるってこと?」
汐見ゆとり「昨日その2軒で凄いつけ麺を食べたおかげで逆にメラメラ燃えてきました!清流企画に入ってからお店の立地とかメニュー戦略とかアピールの仕方とか、それはそれで勉強になったんですけど、でもやっぱりラーメンにとって一番大事なのはあのワクワクなんですよ!どうしました?社長?」
芹沢達美「いーえ。やっぱりあなたはそういうタイプなんだって思っただけ。邪魔したわね」
事務所に移動する芹沢
「つけ麺あんざい」からコンペの承諾書と正式な依頼書が届いているとのこと
芹沢達美「昨日は橋爪ようこが来てカッとしちゃったけど一晩寝たら冷静になった。この案件手を打っておかないとマズイわね。でもあの子には良い勉強になるでしょうけど」
現地調査中の難波に提案があると相談を持ち掛ける芹沢
河上から「あなたの仕事は料理人ではなくフードコンサルタントなんです」と説明されるがイマイチ理解できていないゆとり
コンペ当日のつけ麺あんざい
芹沢達美「では始めましょうか。今日のコンペ、最終的なジャッジは依頼人である安西ご夫妻に下していただきますが。中立的な立場のオブザーバーとして有栖さんにも同席していただきます」
有栖涼「よろしくお願いします」
難波倫子「安西さん、厨房お借りしますね」
安西徳之「どうぞどうぞ」
汐見ゆとり「社長?結局私の新メニュー一度も説明していませんし試食もしてもらってないんですけど?」
芹沢達美「今更?自信あるんでしょ?」
汐見ゆとり「それはもちろんそうですけど」
難波倫子「お待たせしました」
安西徳之「とんこつラーメンじゃないですか。
難波倫子「まずは皆さん召し上がってみてください」
有栖涼「典型的な博多とんこつですね。スープも麺も高い水準で実に手堅い美味しさに仕上がっている」
安西絵里「でも内はつけ麺屋ですよ?どうしてとんこつラーメンを?」
難波倫子「簡単な話です!つけ麺屋を辞めてとんこつラーメン店に商売替えしませんか?依頼書にあった、安西さんの経歴を拝見しました。過去につけ麺専門店ばかりで修業されていますよね?」
安西徳之「ですからここに出店して勝負しようと思い立ったわけで」
難波倫子「そのチャレンジ精神は素晴らしいものですが、お店を繁盛させるには、この立地を逆に利用するべきです!この界隈のつけ麺以外の外食店を調べれば簡単に答えは出てきます。つけ麺激戦区でもラーメンへのニーズはまだまだありますし、それにこの近辺にとんこつラーメンの専門店は一軒もありません!安西さんの腕ならとんこつラーメンへの転向も十分可能だと思います!」
安西徳之「確かにそうですがねー」
難波倫子「以上が私のご提案するコンサルティングプランです!」
福花康男「難波、つけ麺屋さんへのコンサルティングにこの提案はちょっと、大胆過ぎやせんか?」
有栖涼「いや、そんなことはありませんよ!福花社長、僕は実に的確な分析と提案だと思います」
芹沢達美「そうですね。フードコンサルタントとしては新人らしからぬ発想です」
福花康男「芹沢社長と有栖さんにお褒め頂けるなら私も文句の良いようがありませんが」
汐見ゆとり「全然ワクワクしない。こんなの面白くもなんともないコンサルティングですよ。これだったら私の新メニューで楽勝です楽勝!」
難波倫子「次はワレの番じゃー!大口叩いとらんでさっさと見せてみー?」
一方そのころ橋爪ようこと汐見亮二が電話で予想している
橋爪ようこが汐見亮二に電話でゆとりの勝敗の賭けを持ち掛ける。汐見亮二はゆとりの勝ちを予想するが橋爪ようこはゆとりが負けるほうに賭ける。