賢秀「それから?」
清恵「毎日コツコツ 泥んこになって働く父親を 見ているうちに 一から生まれ変わってみようって。 バカだよね。 今更 生まれ変わっても 親不孝は 償い切れないのに。」
賢秀「償えるさ。 人はよ 何回でも人生をやり直せる。」
清恵「いいこと言うね たまには。」
賢秀「そう思わないと 俺自身 やっていけないのに。 俺なんか その娘さんより もっと恥ずかしい過去ばっかりヤサ。 はぁ~。」
清恵「確かに…。」
賢秀「今日の営業 俺 まあまあ やれてたよな?」
清恵「うん。 意外とちゃんとしてた。」
賢秀「俺も 本気で 心入れ替えて コツコツやってみようかな。 地道にコツコツ お前と2人で。」
清恵「えっ…?」
賢秀「えっ?」
清恵「本気?」
(ドアベル)
二ツ橋「いらっしゃいませ。」
涌井「清恵! 久しぶりだな 清恵。」
賢秀「えっ?」
涌井「清恵!」
賢秀「おい! ちょっ…。」
(ドアベル)
二ツ橋「お食事が出ますので…。」
賢秀「釣りは 取っとけ! おい!」
二ツ橋「足りないんですけれど。 あの…。」