連続テレビ小説「ちむどんどん」119話「ゆし豆腐のセレナーデ」

比嘉家

♬~(三線『てぃんさぐぬ花』)

暢子「和彦君。」

和彦「お帰り。」

暢子「ただいま。 お母ちゃんは 棚卸しで遅くなるって。」

和彦「うん。 歌子は?」

和彦「智の家。」

暢子「健彦は?」

和彦「やっと寝てくれたよ。 帰りたくない ずっとやんばるにいるって もう大騒ぎだった。」

暢子「うちも…。」

和彦「ん?」

暢子「やんばるの自然の中で 家族みんなで暮らせたら どんだけ上等か…。」

和彦「提案。 やんばるで暮らしてみない? 3人で。」

暢子「和彦君…。」

和彦「僕の仕事は どうにかなるとしても 暢子は 東京の店を手放すことになる。 長年 暢子が苦労して 花を咲かせた店なのに。 だから 今すぐ決めなくていい。 だけど 東京に戻る前に 暢子が どうしたいのか 自分の気持ちに もう一度 ちゃんと向き合ってみてほしい。」

暢子たちの休日も あと一日。 明日 東京に帰ります。

優子「次に会えるのは お盆かね。」

暢子「結婚したら 歌子は あの家を 出ていくのかね?」

優子「それは あの2人が 話し合って決めること。」

暢子「お母ちゃん ひとりになるよ?」

優子「うちは いつでも お父ちゃんと一緒。」

暢子「さみしくない?」

優子「子供たちが みんな 幸せに巣立ってくれて 本当に うれしい。 うちは 幸せ者。」

暢子「覚えている? うちが 高校生の時 ここで話したこと。」

優子「覚えているよ。」

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