和彦「はい みんな笑って。」
賢秀「早く 早く 早く! よし 和彦 早く 来い! ほれ!」
(シャッター音)
賢秀は 清恵と共に 猪野養豚で 地道にコツコツ 豚を育て続け 昔 家族に借りたお金は 全て倍にして返し終わりました。
良子は 夫婦そろって校長まで勤め上げ 銀婚式には 海外旅行へ行く夢を ようやく果たしました。
歌子は 民謡歌手として たくさんレコードを出しました。 そして 子供たちに唄三線を教えています。智は 歌子の歌手活動を支えています。
和彦は 念願だった沖縄の本を出版し 民俗学分野で その功績をたたえられ 沖縄の文化を 発信し続けています。暢子の やんばるちむどんどんは大繁盛! 今日も 料理三昧の日々を送っています。
暢子「未来は 外国に行きたい気持ちは 変わらないわけ?」
未来「うん。 私は 絶対に 世界一のパティシエになる。」
暢子「アイ フフッ…。 うちは 明日からも こうやって 大好きな人たちと おいしいものを食べたい!」
♬~(三線)(手拍子と掛け声)
歌子♬『唐船(とうしん)ドーヰ(い)さんてーまん 一散走(いっさんは)ーえならんしや ユウヰヤナー 若狭町(わかさまち)村ぬ サー 瀬名波(しなふぁ)ぬタンメー』
一同♬『ハヰヤセンスル ユウヰヤナ(イヤーアッサ アッサ アッサ アッサ アッサ アッサ アッサ アッサ アッサ アッサ アッサ アッサ)』
賢秀「歌子! アイッ!」
歌子♬「音(うと)に豊(とゆ)まりる 大村(うふむら)御殿(うどん)ぬシンダン木』
これは やんばるの ある家族の物語です。
回想
賢秀「暢子 まだ?」
良子「ニーニー うるさい!」
賢秀「うるさいとは 何か 長男に向かって!」
暢子「アイ もう出来るよ。」
賢秀「歌子 何か歌ってちょうだい。」
歌子「嫌だ。」
賢秀「何でよ。 ほれ!」
一同「頂きます。」
子供の頃 家族と食べたおいしいもの 共に過ごした思い出は きっと その後の人生に 勇気を与えてくれるはずです。
暢子「ん~ おいしい!」
良子「自分で作って 自分で褒めるとか のんきだねぇ。」
賢秀「暢子 今度は てびちも作ってちょうだい。
暢子「うん。」
歌子「おいしい。 暢ネーネー イカスミジューシーもまた作って。」
賢秀「うん ジューシーいいなあ。」
暢子「うん いいよ。 フフフッ…。」
優子「暢子が食べているのを見てると こっちまで 幸せになるさ。」
暢子「おいしい~。」
賢秀「マーサン。」
良子「マーサン。」
シークワーサーの木
暢子「ん~!」