石川「良子!」
良子「博夫さん…。」
石川「里美が 昔の学校の話を 聞きたいって言うから 親を紹介するって言っただけで。 うちの親父もおじぃも 教師だったから。」
良子「ただ それだけ?」
石川「その話も なしになった。 あのあと 里美とケンカして。」
良子「どうして?」
石川「里美は 良子に 俺と結婚するつもり みたいなことを言ったんだろ? だから… 俺も 腹が立って…。」
良子「どうして? 何で腹が立ったの?」
石川「何でって…。 だから良子 俺と…。 け…。 勉強会やろう。」
良子「勉強会?」
石川「沖縄の子供たちの未来を 一緒に 真剣に考えよう。」
良子「はい。」
下地「待て! 歌子… 待って。 待て!」
歌子「何で? わっ ごめんなさい!」
智「歌子?」
歌子「助けて!」
下地「比嘉歌子!」
智「何か?」
歌子「ありがとう。 それ どうしたの?」
智「いつか絶対 自分の店を持つ。 豆腐屋じゃない もっと でかい店。 社長になる。」
歌子「頑張って。 応援してる。」
智「おう。」
歌子「うん。」
トイレ
賢秀「♬『翼をひろげ 飛んで行きたいよ 悲しみ』」
金吾「(口笛)」
賢秀「お~! 喜納金吾! いいところで出会ったな!」
金吾「賢秀!」
賢秀「ん?」
金吾「また 俺に たかるつもり?」
賢秀「何のことか。」
金吾「去年 貸したお金 まだ返してもらってないよ。」
賢秀「あれは 借りたんじゃなくて おごってもらった。 でもな お前に おごってもらうのも これで最後ヤッサ。」
金吾「何で?」
賢秀「我らが比嘉家は 大金持ちになる! お前には 分からんさ。 何せ この話 琉球政府の秘密が絡んでるから。 クッ ククク…。」
金吾「それ まさか 1ドルが720円になるって あれか?」
賢秀「だからよ。 あれ 何で知ってるわけ?」
金吾「うちの工場にも ナントカって男が 今なら 特別レートで 円とドルを交換できると 話をもちかけてきて 親父が 知り合いの警察に問い合わせたら 前科者の詐欺師。 気を付けた方がいいよ。」
賢秀「まさかやー。 俺の話は 詐欺じゃない。 ちゃんと 預かり証もある。」
金吾「我那覇! こいつさ! 親父の工場に来た詐欺師。」
賢秀「はあ?」