連続テレビ小説「ちむどんどん」35話「ソーミンチャンプルーVSペペロンチーノ」

二ツ橋「では 頂きます。」

スタッフたち「頂きます。」

暢子「頂きます。 んっ…。 デージマーサンヤー! おいしい!」

二ツ橋「絶品…。」

矢作「比嘉のとは 比べものになんねえ。」

暢子「うちも そう思います! どうして こんなに違うんですか?」

房子「料理の基本は 目の前の材料の魅力を 最大限引き出す そして 何より 食べる人のことを 第一に考えること。 ニンニクを丸ごと オリーブオイルで火にかけた。 そうすることで より それぞれの素材の味や香りが引き立つ。」

矢作「なるほど ニンニクをホールで… か。」

二ツ橋「オーナー 仕上げに かけていたものは?」

暢子「それは 分かりました! シークワーサーです。」

矢作「確か 比嘉が持ってきた。」

暢子「うん。」

房子「シークワーサー 正解。」

二ツ橋「仕上げに かんきつ類の皮を使うことで 爽やかな風味が出て 食後感が軽くなってます。」

矢作「そういえば 腹も楽になったような。」

房子「同じ料理を2度も食べれば 胃は疲れる。」

二ツ橋「なるほど。 食べる人のことを 第一に考えての工夫ですね。」

矢作「でも どうして 搾り汁じゃなくて皮を?」

房子「搾り汁だと 風味の主張が強すぎて トウガラシやニンニクのうまみが 薄まってしまう。」

暢子「アイヤー。 シークワーサーが ペペロンに使えるなんて 気が付かなかったさぁ! オーナーは 沖縄料理にも詳しいんですね。」

房子「たまたま 厨房にあったから 使わせてもらっただけ。」

矢作「今 目の前にある材料を最大限に生かす 柔軟な発想…。」

二ツ橋「材料と真摯に向き合う姿勢 食べる人への心配り お見事としか 良いようがありません。」

暢子「デージマーサン。 早く こんなのを作れるようになりたい。 これに比べたら うちのは 底が浅いというか…。 お代わり いいですか?」

房子「どうぞ。」

矢作「まさかやー…。」

暢子「このおいしさには デージ感動です。 皆さんも そう思いますよね?」

矢作「お前 分かってる? 負けを認めるとってことは…。」

暢子「アイヤー! であるよね。 あまりのおいしさに つい…。」

房子「約束は約束です。 さようなら。」

暢子「待ってください! ここで 働かせてください!」

房子「負けたらクビでもいいと言ったのは あなたでしょ?」

暢子「負けるとは 思ってなかったんです…。 うちが間違っていました。 ごめんなさい! お願いだから クビにしないでください! 何でもします。 お願いします!」

房子「条件がある。」

暢子「何でも言ってください。」

房子「これから先 何があっても泣かないこと。」

暢子「はい。」

房子「それと 私に対して 質問や口答えを 一切しないこと。」

暢子「はい。」

房子「それと…。」

暢子「あっ あっ…。 ちょっと待ってください。 メモします。『なかない しつもん くちごたえしない』。」

房子「私の命令は 絶対。」

暢子「『めいれいは ぜったい』。」

房子「守れる?」

暢子「守ります!」

房子「二ツ橋さん。」

二ツ橋「はい。」

房子「比嘉さんの仕事に 検品と伝票管理も加えて。 それと 賄い当番のシフトにも 入れておいて。」

暢子「まさか! 本当ですか? やった~! あっ… うちからも 一つ お願いしていいですか?『暢子』と 名前で呼んでください。」

矢作「何で?」

暢子「ずっと そう呼ばれてて 東京に来て 初めて『比嘉』と呼ばれて 何か なじめなくて…。 わがまま言って すいません お願いします。」

二ツ橋「オーケーが出ました。」

暢子「えっ? 今の オーケーの顔? 何で分かるんですか?」

二ツ橋「暢子さん 改めて よろしくお願いします!」

暢子「こちらこそ よろしくお願いします。」

こうして 暢子は賄いを作って 自分の実力をアピールする日々を 送ることになりました。

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