あまゆ2階・ゴーヤー
(ドアが開く音)
暢子「ただいま。」
優子「お帰り。」
暢子「大きいお風呂 気持ちいいよ。 歌子も お母ちゃんと一緒に 行ってくれば?」
優子「歌子。」
歌子「…」
優子「じゃあ 行ってこようね。」
暢子「行ってらっしゃい。」
優子「うん。」
暢子「少しでも 食べておいたら? 明日 検査が終わるまで 何も 食べられないんでしょ?」
歌子「検査 どうしても受けないといけない?」
暢子「ん?」
歌子「沖縄に帰りたい。 今すぐ帰りたい。 検査の結果 もし 手術や入院だったら また お金が…。」
暢子「歌子が 元気になるのが 一番大事。」
歌子「暢ネーネーが 羨ましい。 東京で みんなに かわいがられて 好きなことをして 生き生きしてる。 良子ネーネーも 暢ネーネーも 夢をかなえた。 うちだけ 同じ所を ぐるぐる回ってる。 子供の時から 1ミリも成長してない。」
暢子「そんなことないよ。」
歌子「この先も きっと同じ。 仕事も 恋愛も 結婚も 何にもできないまま 死んでいくと思う。 そういう運命だはず。」
暢子「歌子…。」