連続テレビ小説「ちむどんどん」53話「ポークとたまごと男と女」

玄関前

(戸の開閉音)

三郎「まだ膨れてんのか?」

暢子「何で うちだったのかな。 女のうちを シェフ代行にしたら みんなが反発するのは 目に見えていた。 なのに オーナーは…。」

三郎「女ってだけどもねえだろう。 暢子ちゃんは オーナーさんの親戚だろ。」

暢子「うん…。」

三郎「血縁を えこひいきしている。 そんな 心ない陰口を 言われるおそれもある。 それでも あえて指名したのは 期待したから。 俺には そうとしか思えねえ。 オーナーは 男に負けじと 死の物狂いで闘ってるか?」

暢子「確かに 厳しいけど 闘ってはいないです。」

三郎「男みたいになろうとしてるかい?」

暢子「いつもきれいで お客様とのおしゃべりは 上品で優しい。 女性らしいといえば 女性らしいような…。 でも…。」

三郎「でも?」

暢子「オーナーは オーナーです。 男とか女とか言うよりも。」

三郎「答えは 出てるじゃねえか。 ポークと卵みたいなもんだよ。 どっちが上か下かじゃねえだろう? ポークは ポークらしいのが一番。 卵もそうだ。 元の豚や 生まれるヒナが オスなのかメスなのかなんて 関係ねえだろう。 ん? そういうことだよ。 なっ。」

暢子「どういう意味…?」

比嘉家

賢吉「良子!」

良子「おじさん。」

賢吉「優子さんは? 子供は?」

良子「今 畑に。 晴海は 歌子と遊びに。」

賢吉「那覇の 石川さんのお父さんから 電話があった。 お前 先生の仕事に戻るというのは 本当か?」

良子「はい。」

賢吉「今すぐ 博夫君の所に帰れ。 結婚は 家と家のもの。 お前一人のわがままで 親戚中に 大変な迷惑が かかってる! 女は 家庭を守り 男を支えるのが仕事! 諦めれ! お前が悪い!」

優子「良子は 悪くありません! 良子は 悪くありません。」

良子「お母ちゃん…。」

優子「良子は 一生懸命考えて 決めようとしているだけです。 それが 悪いはずありません。」

レストラン・フォンターナ
厨房

暢子「おはようございます。 寝坊しました!」

シェフ代行 暢子。 大ピンチです。

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク