(電話の呼び出し音)
重子「もしもし 青柳でございます。」
和彦「…。」
重子「もしもし?」
和彦「和彦です。 ちょっと 大事な話が…。」
重子「なあに? 久しぶりに電話してきたと思ったら。」
和彦「結婚したい人がいる。 その人と会ってほしい。」
重子「お名前を教えてちょうだい。」
和彦「比嘉暢子さん。 沖縄出身で 今は 銀座のフォンターナっていうお店で 働いてて。」
重子「…。」
和彦「お母さん? 聞こえてる?」
(文字を書く音)
重子「是非 お会いしたいから 連れてらっしゃい。 次の日曜日は どう?」
(小銭を入れる音)
和彦「分かった。ありがとう…。 じゃあ。」
暢子「うん 大丈夫そうだね!」
和彦「うん…。」
暢子「すぐ電話して よかったさぁ。 とう! 帰って荷造り。」
和彦「はぁ…。 大丈夫かな…。」
沖縄料理店・あまゆ
三郎たち「おめでとう!」
(拍手)
トミ「よかった~。」
(拍手)
順次「で 新居は どこになるわけ?」
暢子「あっ とりあえず 結婚式が終わって 落ち着くまでは 2人とも これまでどおり このまま ここに 住まわせてもらおうと思ってます。」
多江「さっきの琉装の話 もう 手配できてるの?」
暢子「まだです。」
多江「じゃあ 私の持ってるものを使って。」
暢子「アキサミヨー。 琉装 持ってるんですか?」
多江「親から もらったのが。 今度 うちに来て。 ねっ。」
暢子「あっ はい! ありがとうございます。」
和彦「あっ あの… 智は どうしてますか?」
トミ「智君 暢子ちゃんたちと入れ違いで 沖縄に帰ったんだよ。」
暢子「何しに?」
順次「仕事さ。 こっちは 従業員に任せて 仕入れ先を増やすために 沖縄中 回るって言ってた。」
三郎「大丈夫だよ。 今は ちょっと気まずいだろうが あいつは まっすぐな男だから。」
和彦「はい。」
レストラン・フォンターナ
オーナー室
暢子「お休み ありがとうございました。 それで オーナーの おっしゃるとおり 仕事も 結婚も 両方 目指すことにしました。」
房子「もう一つは?」
暢子「もう一つ?」
房子「自分のやりたい店。」
暢子「そこまでは まだ…。」
房子「じゃあ 引き続き宿題。」
暢子「はい! それで 披露宴は 春ごろにやろうと思っていますので お二人も 是非 出席してください!」
二ツ橋「披露宴には 鶴見の皆さんも?」
暢子「もちろんです。」
房子「私ね その時期 地方だった…。 あらっ え~っと 海外だったかもしれない…。 えっと… だから 私のことは気にしないで 話を進めて。」
暢子「はい…。」