東洋新聞
学芸部
田良島「嘉手刈さんの取材レポート いいもの 読ましてもらった。 いつか 必ず 記事にして 読者に届けなけりゃならんな。」
和彦「嘉手刈さんが 田良島さんに くれぐれも よろしくと。」
田良島「ああ…。 重い約束だな。 沖縄戦を 正しく伝えるには どう表現すべきか。 考え続けるしかないな。」
和彦「はい…。」
田良島「仕事の話は 以上。 次は お前たちの結婚話。 どこまで進んだ?」
和彦「近々 暢子を連れて 母に挨拶に。」
田良島「ふ~ん。 おふくろさんとは 折り合いが悪いって言ってたよな。」
和彦「でも 僕も もう大人ですし。」
田良島「え~ どうかなあ? 母親の一番の不幸は 息子と結婚できないことって 言うからな。」
和彦「ちょっと やめてくださいよ。」
田良島「何でだよ?」
和彦「いや そんなことないですから。」
田良島「やめないよ。」
和彦「やめてください。」
田良島「何で。」
比嘉家
晴海「…けんぱ けんけんぱ。 お母さん 見て!」
良子「は~い 上手ね。」
優子「じゃあ また3人で 名護の博夫さんのアパートに?」
良子「うん。」
歌子「うちは 暢ネーネーの披露宴で 唄を歌いたい。」
優子「暢子も きっと喜ぶさぁ。」
歌子「うん。」
(電話の呼び鈴)
良子「もしもし 比嘉です。」
養豚場
賢秀「結婚!? ついに 暢子も結婚かぁ。 そうなると 俺も 長男として ビシッと決めないとヤー。」
比嘉家
良子「くれぐれも 変なことはしないでよ。 ニーニーは 今 どこで 何してるの?」
養豚場
賢秀「ちょっと 声が聞きたかったからよ。 次は 東京でな。 あばよ!」
比嘉家
良子「待って ニーニー! ニー…。」
(電話が切れる音)
(不通音)
一同「はぁ~…。」
養豚場
清恵「何?」
賢秀「給料 どのぐらい前借りできますか?」
清恵「はぁ…。」