連続テレビ小説「ちむどんどん」85話「あのとき食べたラフテーの」

喫茶・サーカス

(ドアの開閉音)

マスター「いらっしゃいませ。」

和彦「月夜の晩に、ボタンの一つが 波打際に、落ちてゐた。『月夜の浜辺』が 僕は好きだ。 ほかにも いい詩がたくさんある。」

重子「お弁当は 諦めたようね。 食べ物で 人の気持ちが 変えられるわけがない。」

和彦「僕は 沖縄に行く前 食欲がおちて何も食べたくなくなっていた。 沖縄で 暢子と 暢子の家族に出会って また 食べることが楽しくなった。 おいしいものを食べる。 みんなで笑顔で食べる。 そんな当たり前のことを 大事にする家族だった。」

重子「何が言いたいの?」

和彦「披露宴は フォンターナでやることにした。 問題は解決した。」

重子「私は 出席しません。」

和彦「おいしいものが いっぱい出る。 母さんとも 一緒に食べたい。」

(ドアが閉まる音)

青柳家

波子「奥様 暢子さんが また。 今日は 一段と大きなお弁当で。 ラフテーと言って 沖縄風の角煮で…。」

重子「『のぶこさん』?」

波子「あっ いえ 失礼いたします。」

レストラン・フォンターナ

田良島「活気が戻って よかった。 いや~ 災難でしたね。」

房子「いろいろと ご心配をおかけして すみません。」

暢子「失礼します。」

房子「それはそうと 分かってるわね?」

暢子「はい。 このフォンターナで 最高の披露宴をやるためにも 絶対に 和彦君のお母さんに 賛成してもらいます。」

田良島「具体的に 策はあるの?」

暢子「…。」

田良島「ないねえ。 いや 正面から ぶつかってもなあ…。」

沖縄料理店・あまゆ

良子「正面から ぶつかります! 和彦君のお母さんに 暢子と和彦君の結婚を 認めてもらいます! 暢子の幸せのために 姉である私が!」

養豚場

賢秀「分かった! 長男である俺が あの上流階級気取りのおばさんに 正面から体当たりヤサ!」

歌子☎『ニーニー ちょっと待って…。』

賢秀「歌子 またな!」

寛大「ああ また辞める?」

賢秀「はい。 お世話になりました!」

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