ハナ「まだ 何か あるか?」
恵達「俺の事かな?」
勝子「恵文さんの女性問題について まだ そのままに なっていましたので。」
恵文「あら あれが もう 置きっぱなしでいいという事に。」
勝子「なってません。 説明して頂きます。」
恵文「分かりました。 ご説明いたしましょう。 浮気とか そういうんじゃないさ 恵里に紹介される前に お客さんとして あの人を 乗せたことがあるわけ。」
恵里「え? そうなの?」
恵文「あの人 泣いてたよ タクシーの中で。その時は 何でだか 分からなかったけど きっと 那覇に来て 仕事が うまくやれずに 悔しかったと…。」
恵文「悔し泣きっていう感じだったさ。 沖縄の人はね 横のつながりを大事にするよね。 それは お父さん 大好きさ。 でも その代わり 容子さんみたいな人には チョット こう 入るところが ないんじゃないかなと思うわけ。」
恵文「その時に 思ったさ。 この人は 沖縄を嫌いで 帰ってしまうんじゃないかって。 なんか そういうの 寂しいさぁ。」
恵里「うん。」
恵文「でも 何してあげられる わけじゃないしさ。 そしたら 恵里が 紹介してきてさ いろいろ 顔を利かせてほしいと言うわけさ。 何とかしてやろうと思ったさぁ あの涙を見せた この女性によ 最後は 沖縄を好きになって 帰ってもらおうと思ったわけさ。」
勝子「そう… 分かった。」
恵文「うん。」
勝子「スケベな気持ちは どれぐらいあった?」
恵文「え? そんなのは…。」
勝子「どれぐらい?」
恵文「いや どれぐらいって ほ~んの チョットかな…。」
勝子「これぐらい?」
恵文「いや そんなには ない。 これくらい…。」
勝子「ウソは やめようね 文ちゃん。 怒らないからさ これくらいかな?」
恵文「いやいや そこまでは…。 これくらいかな。」
勝子「こんなに?」
恵文「え?」
ハナ「何をしている 夫婦で。 アホらしい…。」
恵文「じゃ ま そういうことでな。」
勝子「あ 恵達 あんた 何か 言ってたわね 何だったけね?」
恵達「絶対言わない!」
玄関の方から声が聞こえる
誠「こんばんは。」
恵文「あれ? 島袋君かねえ。」
ハナ「いやいや あの男は もっと間の悪い時に 来るさぁ。」
誠「こんばんは。」
恵里「ん? 誠?」
玄関
恵里「誠… 何 それ? スーツ?」
誠「おう 似合うだろ? な。」
恵里「ハハハ…。」
勝子「キャプテン どうしたの? あがれば?」
誠「いや 恵里 チョット 外で話そう。」
恵里「え?」
恵文「お 親の前では 話せないようなことか?」
誠「はい お父さん。」
恵文「え お父さん?」
恵里「チョット ないよ そんな話…。」
誠「すみません チョット 恵里 借りましょうねぇ。 なんなら そのまま 頂いても いいんですけど…。」
恵文「おい チョット…。」
ハナ「誠の 悲しい片思いだねぇ。」
勝子「え?」