思いっきり睨みつける真理亜w
柴田「すみません。」
容子「でも この間 ビックリしたよねぇ。」
恵里「え? 何がです?」
容子「島田さんよ どこで 何をしている人か 分からないしさ その人が 突然 登場してきて しゃべるんだもん。」
柴田「そういえば そうですよねぇ。 いったい何者ですか? あの人。」
容子「さあ。」
みづえ「私も 知らないの。」
容子「そうなの? それで 平気なの?」
みづえ「うん だって お家賃は払うし 問題を起こすわけじゃないし まあ いい店子さんよ。」
容子「まぁね あなた 部屋 近くでしょ?」
柴田「いや でも 全然 分からないです。 1回 何だっけな 砂糖を借りにいったことある。 貸しては くれるんですけど 部屋の中を絶対見せようとしない。 こうやって ガードしちゃって。」
恵里「私が あいさつに いった時も そうでした。」
柴田「でしょう? 謎だよねぁ。 どうなってるんだろう 部屋の中。 何か 見せちゃいけないもんでも 入ってるのかな?」
容子「私が『よく しゃべるようになった』って 言ったからって わざと 黙らないで。 子供じゃないんだから。」
真理亜「分かったわよ。」
柴田「なんか 変な物でも 隠してるか…。」
真理亜「死体とか? ありうるわよ。」
恵里「ウソ…。」
容子「あんた ホントに メルヘン作家?」
真理亜「お陰さまで。」
恵里「でも いい人ですよねぇ 島田さん。」
真理亜「だから そうやって 人を 『いい人』とかって まとめるの やめろって。」
恵里「だって いい人だったでしょ。」
真理亜「だからね じゃ聞くけど 悪い人って どこにいるのよ。 あんたにとっての悪い人って…。」
恵里「分かりません。 会ったことないですから。」
真理亜「バ~カ。」
容子「ホント よく しゃべるようになったわねぇ。」
みづえ「ねえ 2週間に1回くらい 週末に こうして 食事をしたいと思うのよ。 メニューと日取りは そこの掲示板に書いておくから。」
容子「へえ…。」
真理亜「そういうの 私 苦手なんだけど…。」
容子「いいでしょ 2週間に1回 こうして おいしいもの ごちそうしてもらえるんだもん。」
恵里「うん そうですよ。」
柴田「助かりますよねぇ。」
みづえ「でも お代は 頂くわよ。」
容子「え?」
みづえ「材料費は お家賃に 上乗せしておきますからね。」
容子「え? じゃ これも?」
みづえ「もちろんよ。」
真理亜「しっかりしてるわ。」
柴田「でも 量は 関係ないですよね。 お代わり ください。」
みづえ「ご自分で どうぞ。」
恵里は 自分の知らないうちに 知らず知らずのうちの 少しずつ 周りの人々の心を 溶かしていったのでございます。
この子には そういう不思議な力が あるのかもしれませんねぇ