連続テレビ小説「ちゅらさん」39話「迷子のマブイ(魂)」ネタバレ

沖縄

ライブハウス クロスロード

我那覇「おう どうした? 青年。」

恵達「あ 先輩 どうも。」

我那覇「なんか いい感じで ドヨ~ンとしてるねぇ。」

恵達「え?」

ちゅらさんの画像

我那覇「いいよ なんか 灰色の青春って感じで ロックぽいねぇ。」

恵達「そうですかね?」

我那覇「そうだよ。 ロックっていうのはさ 心の叫びを 自分の体と音楽で 表現するものさ。 叫びと 言ったって 絶叫もあれば 静かな心の叫びも あるさ。 分かるか?」

恵達「なんとなく…。」

我那覇「女に振られたか?」

恵達「え? いや あの バンドのこと なんですけどね。」

我那覇「ん?」

恵達「コピーっていうか イギリスや アメリカの曲を やってますよね? 英語で…。」

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我那覇「おう。」

恵達「なんか それで やってて 自分で こう モヤモヤしてくるんです。」

我那覇「青年。」

恵達「はい。」

我那覇「それでいいのさ。」

恵達「は?」

我那覇「きっと 自分の音楽を やりたくなったんだ。」

恵達「自分の… 音楽。」

我那覇「そうさ。 自分の心を 音楽で表現したくなったんだ。 やりなさい作りなさい 自分の曲を…。」

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恵達「え?」

我那覇「しかも 女に振られたんだろ?」

恵達「いや 違いますけど…。」

我那覇「それはね 曲作りにうってつけの精神状態だ。 女に振られたり 女を捨てたり 別れたり… そんな時に いい曲が できるもんさ。」

恵達「そうなんですか?」

我那覇「そうだよ。 俺なんか 曲作りのために 愛した女を 何人も 捨てたもんさ。」

恵達「え? マジですか?」

我那覇「チョット ウソつきました すみません。」

恵達「なんだ…。」

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我那覇「恵達 作ってみろ お前の音楽を。 うまいとか下手とか 関係ないさ 作れば それが お前の音楽だ。 もう 恵達に教えるものは ないのかもしれないねぇ。」

ギターを持つ我那覇

我那覇「これが俺の歌さ。」

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我那覇「♪『嵐の中で生まれ 風の中で生きる 寝たいときに 寝て やりたい時に やるだけさ 気にするなよ ホンの冗談 何もかも うそっぱち 俺は ホラ吹き 稲妻 パッと光って 消えちまう』。」

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古波蔵家

恵文「どうした? 恵達。」

恵達「いや あのさ お父さん いつも なんか こう 適当に ならしてるさ 三線。 どうして そういうふうに なるのかなと思って。」

恵文「適当じゃないさぁ 今の気持ちが 音になって出てるんだよ。」

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恵達「気持?」

恵文「そうさぁ 疲れたなとか 寂しいなとか 幸せだなとか いろいろあるでしょう?」

恵達「ああ。」

恵文「それが 自然に ポロンポロンと 音になって 出てくるわけさ 考えなくても…。」

三線を鳴らす恵文

恵文「今のは『恵里は どうしてるかな』って 感じだね。 音楽というのは 恵達 気持ちさ。 『どんな音楽だって 同じだ』と お父さんは 思うわけよ ロックだろうが 島唄だろうが…。」

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恵文「なんか 今 お父さんから 重要なヒントをもらってしまったか? うん? 恵達。 重く深いものを 感じたでしょう?」

恵達「おやすみ。」

恵文「あれ? よかったよねぇ 今の? 父親の威厳に満ちてたでしょう?」

ハナ「何が 威厳か バカタレが…。」

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恵文「ん?」

勝子「ホント ひと言 余計なのよねぇ 言わなければ カッコ良かったのに。」

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