時間が経過し…
容子「あ じゃ また 何も言わずに 帰ってきちゃったわけ?」
恵里「だって 声かけられませんよ。 横に 彼女みたいな人いたし なんか 美人だし 頭よさそうだし。」
柴田「その人は ホントに彼女ですか? ただの女友達では ないんですか。」
容子「あんた いいヤツよねぇ。」
柴田「どうも。」
恵里「分かりますもん 見れば…。」
柴田「その男 殴ってやりたい。」
真理亜「あのね 文也君は 悪くない 全然。 まったく 悪くないの。 そんなこと 本気にしてる方が おかしいの。」
恵里「でも 文也君 覚えていてくれたの 私の事。 私とした約束も ちゃんと 覚えていてくれたの。 それは… 私… うれしかったんです。 うれしかったんです それは。」
恵達「もういいよ 姉え姉え もういいって…。」
兼城「今日は 飲もう 皆で な。 店は 休みさ。」
真理亜「私は 帰ります。 あ~あ 失敗したなあ 私が勝った場合のこと 何も 約束してもらってなかったもん。」
恵里「すみませんでした。」
容子「何で ああ 憎まれ口たたくかねぇ。」
古波蔵家
ハナ「なんか こう 胸の奥の方が 肝(ちむ)ワサワサしているさぁ。 さっきから…。」
恵文「え? 嫌な予感って 恵里の事かね?」
ハナ「分からんねぇ。 そうかもしれんねぇ。」
勝子「ああ 恵里は 大丈夫かしらねぇ。」
ハナ「もうすぐ 電話が来るよ。」
勝子「え? どうしよう?」
恵文「いいか 勝子 泣いてしまったら ダメだよ。 明るくさ 明るくね 励まさないと こっちが 泣いたら ダメであるさぁ。」
勝子「そうだね そうだよね。 ああ でも 自信ないなぁ 文ちゃん出て。」
恵文「こういう時は 母親さぁ 俺は 全然 ダメさぁ。」
勝子「おかあさん!」
ハナ「おばぁは ダメだよ。 失恋したこと ないからねぇ。」
勝子「何ですか? それ。」
ハナ「あ!」
(電話の呼び鈴)
恵文「いつも 出てるんだから…。」
勝子「はい!」
恵文「いやいや。」
勝子「もしもし?」
一風館
恵里「お母さん? お母さん…。」
古波蔵家
勝子「恵里…。(すすり泣き)」
恵文「だから 泣いたら ダメさぁ。(泣き声)」
勝子「恵里…。」
一風館
恵里「お母さん…。」
上村家
恵里に渡されたメモ
回想
遥「結婚すんの?」
文也「小学校の時の話だよ」
遥「向こうは その気だったりして」
恵里「文也君…」
回想終了
文也「まさか…。」
メモの番号にかけるが 話し中の信号音
ああ どうして こうなって しまうかねぇ つらいねぇ
一風館
恵里「うん…。」
これも 試練なのかねぇ
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