バーテン
遥「運命っていう訳ですか?」
文也「うん。」
遥「上村。 悪いけど 私 認めたくないな。 別に 嫉妬とかじゃないけど …認めたくないな。 おかしいよ 運命なんて。 運命で 人の人生が 決まってるんなら 医者なんか いらないんじゃないかな。」
文也「え?」
遥「私たちの仕事は 運命に 逆らう仕事なんじゃないのかな。 医学って そういうもんでしょ? 別に 2人の仲を裂こうなんて 思わないわよ。 今は 運命ごっこ してればいい… でも 私は 信じない。 いつか 壊れると思う。 私は そう思う。」
文也「でも 俺… 今の自分 嫌いじゃないんだ。」
遥「え?」
文也「恵里に会ってからの俺 嫌いじゃないんだ。 なんか 分からないけど 嫌いじゃないんだ。」
遥「私に そんなこと 言わないで 私だって 女の子なんだから。」
文也「あ ごめん。」
遥「帰るね。 また 誘うね 同僚として…。 断らないでね。」
文也「うん。」
北栄総合病院
看護婦「おはようございます。」
祥子「おはようございます。」
聡子「そういえば 古波蔵さん 今日から 出てくるのよねぇ。」
奈々子「そうですねぇ また 疲れる日々が 始まるのか…。」
聡子「元気になったのかしらねぇ。」
恵里「おはようございます。 おはようございます。 どうも おはようございます。 あ おはようございます。」
聡子「なったわね。」
奈々子「みたいですね。」
恵里「何がです?」
聡子「いえ…。」
恵里「あ お休み ありがとうございます。 これ 沖縄のお土産です。 はい どうぞ。 フフフ。」
奈々子「帰ってたの?」
恵里「はい。 はい サーターアンダギー おいしいよ 食べてね。 はい どうぞ。」
聡子「で 何? いいことでも あったの? その顔は…。」
恵里「はい ありました! でも まだ ないしょです。」
奈々子「は? 何よ それ。」
恵里「フフフ…。 今日から また よろしく お願いします。 あ それでですね 婦長と 佐々木さんに お願いがあります。」
聡子「お願い? なんか… 聞きたくない気がするな。」
奈々子「そうですね。」
恵里「私がですね 一人前の看護婦になったら 教えて頂きたいんです。」
奈々子「は?」
聡子「は?」
恵里「待ってますからね 私 頑張ります。 よろしく お願いします!」
90話へ