古波蔵家
勝子「(くしゃみ)」
祥子「お母さん 大丈夫ですか?」
勝子「噂してるのかね…『勝子さんは いつまでも きれいだねえ』とかって…。」
恵文「『勝子さんは 怒ると 怖いからねえ』とか 言っていたんじゃないかね。 ねえ祥子ちゃん?」
祥子「え? いいえ そんな 私… とんでもないです。」
勝子「そうだよね。 優しいよねえ。」
祥子「はい。」
勝子「いい噂に決まってるさぁ。 文ちゃんとは 違うよねえ。」
祥子「え? …いえ それも なかなか『はい』とは 嫁としては 言えないですね…。」
島袋「おはようございます! 島袋です! 朝ご飯 いただきにきました!」
一同「(笑い)」
島袋「あれ? 何か いい事でも あったんですかねえ…。」
ハナ「相変わらず 間の悪い男だね。」
こはぐら壮
文也「和也 いっぱい 食べていけよ。」
恵理「ねえ 褒めてるんだよね 文也君?」
文也「いや… 褒めてるっていうか 恵理も いつか おばぁみたいに なるのかなあと 思うんだよね 最近…。」
古波蔵家
くしゃみをこらえるハナw
一同「(感嘆の声)」
一風館
柴田「(くしゃみ)」
容子「大丈夫?」
柴田「ええ 何とか…。 似ている…。」
容子「時間ないよ。」
柴田「はい…。」
みづえ「でも あれね 恵尚君と奈々ちゃんが そろってるのも 久しぶりよね。」
島田「いや~… そうだよねえ。」
恵尚「皆さんも ご存じかと思いますが 私 古波蔵恵尚『旅を追い求める男』と 申しましょうか『夢追い人』とでも言いましょうか。」
奈々子「こらえ性がないんです。」
恵尚「はい そのとおりです。」
奈々子「でも 夫婦だからって ずっと 一緒にいなくちゃ いけない訳じゃない…。」
容子「分かる!」
奈々子「ありがとうございます。 それに この人 ずっと 一緒にいるには ちょっと 顔が濃すぎる…。」
恵尚「ん?」
容子「あ それも分かる。」
柴田「…え?」
容子「あ 島田さん。」
島田「ん?」
容子「ヨーロッパ もうすぐだね。」
島田「うん。」
みづえ「そうねえ。」
島田「いやいや 真理亜ちゃんのお陰でね 敬愛する指揮者のコンサートに くっついて ヨーロッパを回れるなんてね…。」
容子「あんた 偉いねえ。」
真理亜「いやいや…。」
容子「でも 人に仕事を紹介したり できる割には 自分の仕事は サッパリだね。」
真理亜「う…。」
容子「長いスランプだねえ。」
真理亜「うるさい!」
奈々子「あ~ また こぼして もう…。 はい ああ~ん。」
真理亜「ちょっと! 何なのよ! このアパートは 一体 どうなってんの!」
容子「まだ 言ってるの! いいかげん 慣れなさいよ!」
真理亜「鳴れないわよ! 大体ね 管理人さん! 私が ここに入居した時には『独身者のみ』って…。 そういう契約じゃ なかったっけ?」
みづえ「あら そうだったかしら…。」
真理亜「…あ~ もう~『そうだったかしら』って…。 あ~ あいつのせいだ。」
容子「『あいつ』って… 恵理ちゃん?」
真理亜「そうよ。あの笑顔の悪魔。 またの名を『宇宙人』」
こはぐら壮
恵理「(くしゃみ)」
文也「大丈夫か?」
恵理「うん…。 何かねえ…。」
和也「いってきます!」
文也「あ いってらっしゃい!」
恵理「いってらっしゃい! 気をつけてね!」
和也「分かってるさ!」
恵理「いってらっしゃい!」
文也「気をつけてな! 和也も 島の子になってきたよなぁ。」
恵理「うん…。 よかった。」
文也「…うん。」
道中
和也「あ 宮良のおあばぁ! おはよう!」
宮良のおばぁ「はい おはよう 和也君。」
和也「宮良のおばぁは 何歳?」
宮良のおばぁ「ん… そうだねぇ…。 80歳から先の事は 忘れてしまったさ。」
和也「ふ~ん。 じゃ いってきます!」
宮良のおばぁ「はい いってらっしゃい! 恵理ちゃんの 文也先生に よろしくの!」
和也「は~い! じゃあね!」