あらすじ
るい(深津絵里)は関西一のトランぺッターを選ぶコンテストに向けて、錠一郎(オダギリジョー)の着る衣装を選んであげました。準備万端と思っていたところ、偶然ラジオで「勝者はトミー北沢(早乙女太一)に違いない」という予想を聞き、錠一郎は自信をなくしてしまいます。そこで映画館主の西山(笑福亭笑瓶)の勧めで気分転換に映画を見に行くことになったるいと錠一郎でしたが、その映画がとんでもない内容で…。
53話ネタバレ
ジャズ喫茶・Night and Day
屋根裏
錠一郎「ありがとう。 最初は 出えへんつもりやったんや。 コンテスト。 でも 夢ができたから。 いつか アメリカに行くって。 サッチモちゃんと2人で。 きっと勝つよ。 これ着て コンテスト出て 必ず優勝する。」
るい「はい。」
竹村家
竹村クリーニング店
ラジオ・磯村『さて 皆さん。 いよいよ『関西 ジャズトランぺッター ニューセッション』が 近づいてまいりました。 飛ぶ鳥を落とす勢いといわれます 東京の芸能事務所 笹川プロダクション 通称 ササプロといいますが そこの社長さんが 関西で最も有望なトランぺッターを選ぶ という催しなんです』。
平助「これ 今度 Night and Dayでやるやっちゃな?」
るい「はい。」
ラジオ・磯村『私みたいなジャズ好きは…』。
平助「ああ ありがとう。」
ラジオ・磯村『もう明けても暮れてもジャズが好き。 わくわくが止まりません』。
るい「あっ ありがとうございます。」
ラジオ・磯村『有能なプレーヤーが ひしめき合う 関西ジャズ界ですけどね 私が優勝候補と思うのは 内山裕三。 里美雅彦。 しかし 大本命は… トミー北沢』。
和子「あら。 トミーいうたら いつかの。」
平助「ごっつい自動車に乗ってきた子か。」
ラジオ・磯村『この人は非常に華があります。 テクニックも頭一つ抜けてます』。
平助「はあ~ そんなすごい人やったんか。」
ラジオ・磯村『そのトミー北沢の ライバルと目されているのが 大月錠一郎。 私は この人のプレーがとても好きでね トミー北沢が太陽ならば…』。
錠一郎「サッチモちゃん。」
ラジオ・磯村『大月錠一郎は まさに月!』。
平助「うわさをすれば。」
和子「ああ 大月君。 今 あんたのこと ラジオで言うてんで。」
錠一郎「えっ?」
ラジオ・磯村『闇夜に浮かぶお月様のような彼の音が 私は好きでねえ』。
平助「えらい褒められてるで。」
錠一郎「いや…。」
和子「今のうちにサインもろとかんと。」
ラジオ・磯村『しかし どちらの実力が上かと言えば トミー北沢やと思います。 光輝く太陽の前では 闇夜の月などは 全く勝ち目はないですね。 ズバリ 優勝は 光輝くトミー北沢でしょう』。
西山「♬『またも出ました ロマンショウ いつもニコニコ朗らかに 和子さん』」
和子「♬『オイヤー』」
西山「♬『帰れ~』」
西山「えっ 何でえな。」
平助「シ~ッ。」
西山「うん?」
庭
錠一郎「あの磯村 吟いう人は ジャズ界では有名なんや。 ものすごう知識も豊富で… 木暮さんも一目置いてはる。」
るい「そやからいうて そのとおりになるとは限りませんて。」
錠一郎「あかん 何か… 何か すごい自信なくなってきた。」
るい「そんなこと言わんと。」
西山「何や何や お二人さん。 ええ? 事情は知らんけども おっちゃんがええもんやろ。 ヘヘヘ…。」
平助「事情も知らんのに いらんことしなや。」
和子「あら モモケンの?」
西山「そうやがな。 ただいま 大ヒット中や!」
平助「るいちゃん。 気に病んどってもしゃあない。 2人で見てきたら どないや?」
るい「えっ…。」
和子「そやそや。 今日はもう しまいやろ?」
平助「うん。」