あらすじ
根岸先生(財前直見)は、まず糸子(尾野真千子)に洋服を着せ街を歩かせる。そして好きな花を尋ね、糸子がカーネーションを挙げると「その花のように堂々としろ」と教える。続いて心斎橋のカフェに糸子を誘い、本当によい服は夢や希望を与えると話し、糸子は大きな影響を受ける。しかし、またも女連れの春太郎(小泉孝太郎)を目にし、糸子は猛然とにらみつける。帰り道では堂々と会釈する糸子を泰蔵(須賀貴匡)が驚いて見送る。
23回ネタバレ
小原家
座敷
(小鳥の鳴き声)
妹達「わあ~!」
糸子「ほれ! ほれ! あんたら邪魔や。 下 降りとき。 あんたも 下 降りとき。 あ お待たせしました。」
妹達「あ あ~!」
糸子「よろしゅう お願いします。」
根岸「私も いろいろと 考えてきたんだけれど。 どんなに急いだとしても 1週間で教えられる事は ほんの僅かです。」
糸子「はい。 だから とにかく 大切な基本だけを 私は あなたに たたき込むわ。」
糸子「はい。」
根岸「じゃ まず…。」
糸子「あ ちょっと待って下さい。 はい お願いします。」
根岸「これに着替えて。」
糸子「え?」
根岸「着替えて。」
糸子「いや うち まだ洋服は 着た事ないんです。」
根岸「だから 着るのよ。」
糸子「え?」
糸子「先生 何か…。 変です。」
根岸「それはね 今 私が着てるのと 同じデザインなの。」
糸子「え? ほんまや 生地の色がちゃうだけで よう見たら一緒や。」
根岸「でも 少し あなたには 似合ってないような気がしない?」
糸子「は… 少しどころか 全然 似合うてません。」
根岸「私のと よく見比べてみて。 どこが違うのか。」
糸子「先生と うち? どこが ちゃうか言うたら…。 はあ うちの方が 脚が短いです。」
根岸「そう! そう見えるわね。 それは どうしてかしら?」
糸子「うちの脚が短いからです。」
根岸「糸子さん これは 洋裁の授業なのよ。 服を見なさい。」
糸子「脚が短いんやなくて 胴が長いです。」
根岸「そう ウエストの位置が違うの。」
糸子「うえすと?」
根岸「腰の一番 細い所に 手を当ててごらんなさい。」
糸子「ここ?」
根岸「そう そこよね。 洋服のウエストは この位置に合わせるの。 どう?」
糸子「あ 脚が長なった! フフフ…。」
根岸「それでね。 これ履いてみて。」
糸子「え? こんな高い靴? あ! もっと長なった。」
根岸「じゃ 今日は これを着て 街を歩いてみましょ!」
糸子「えっ?」