純喫茶・アイドル
アキ「じゃ来んのか? ついにユイちゃん 東京さ来んのか?」
北三陸駅
ユイ「うん! 行く。」
純喫茶・アイドル
アキ「やった~!」
春子「うるさい!」
甲斐「失礼しました。」
アキ「ねえ ママ! 夏ばっぱとユイちゃん 東京さ来るって。」
春子「聞こえてたから。 あの こちらね CMプランナーの 萩尾さん。」
アキ「『しーえむ』?」
水口「『見つけて こわそう』見て 連絡下さったんだ。」
萩尾「神業ゼミナールという 予備校の イメージキャラクター 募集してまして。 クライアントも アキちゃんに興味示してるんで 是非。」
春子「はい。」
アキ「じぇじぇじぇ!」
(盆を落とす音)
甲斐「失礼しました~。」
春子「何よ。」
<ユイちゃんで思い出した。 おら 大問題を抱えでたんだ>
回想
アキ「先輩!」
種市「何だ 天野。」
アキ「お… おらと つきあってけろ!」
回想終了
アキ「種市先輩さ 告白してしまったんだ。 そして>
回想
種市「分がった。 よし つきあうべ。」
アキ「やんだ!」
回想終了
<自分がら告(こく)って 自分がら断ってしまった。 それなのに>
回想
種市「自分は 天野の事が好きだ。」
アキ「い いや いや! だって先輩は おらじゃなくて…。」
種市「ユイとは もう何でもない。 もう別れた。 返事は いつでもいい。 じっくり考えてけろ。」
アキ「やっぱ つきあってけろ先輩!」
種市「じっくり考えたか?」
回想終了
<結局どうなったんだ? おら 先輩と つぎあうのか? つぎあわねえのか?>
春子「問題ないよね アキ。」
アキ「へ?」
春子「今の話 聞いてたでしょ?」
アキ「はい。 全然聞いてないです。」
水口「CMの契約期間が1年間だから その間は 恋愛禁止だって。」
春子「うん 彼氏とか恋人とかいると まずいんだって。」
水口「しょうがないですよね。 キャッチコピーが『受験が恋人』ですもんね。」
萩尾「ええ。 そういったスキャンダル等が 出ますと 契約破棄になりかねないんで。」
<『じぇ!』も出ませんでした>
春子「でも いないもんね 彼氏とか。 全然大丈夫です。」
萩尾「よかったです。」
水口「じゃ 引き続き 恋愛御法度って事で。」
<うわ~ どうすべえ!>