連続テレビ小説「あまちゃん」113回「おらのハート、再点火」

鈴鹿「私が大根!? 大根!? 信じられない! 確かに 主役デビューだけど 新ヨコハマ映画祭新人賞も頂きました! ちょっと売れたからって 何様のつもり!? お母さん 呼んできなさい! 詳しく お話 伺いたいわ!」

アキ「やめた方がいい 毒しか吐がねえがら。 それに 実は 相談っつうのも ほかでもねえ ママの事なんだ。」

鈴鹿「お母さんが どうしたのよ。」

アキ「出前 行かねえんですか?」

種市「え?」

アキ「いつも 大体 話の途中で出前行くべ。 今日は?」

種市「いや… 開店前だから。」

アキ「ママのプレッシャーが重いんです。 水口さん雇ったのに 結局 ほとんど 現場さ来てるし。 来れない時は うち帰ったら 細かく いろいろ聞かれて…。 この間も 初めて バラエティーさ出て 何か 特番みたいな。」

回想

黒川「ただいま~!」

アキ「ただいま~!」

春子「お帰り! どうだった?」

黒川「うん 面白かったよ。」

春子「アキに聞いてんの。 ねえ ちゃんと 品川に拾ってもらった? ちゃんと 庄司の筋肉 見せてもらった? ちゃんと 有吉に あだ名 付けてもらったの? ちゃんと 竹山に切れてもらった?」

回想終了

アキ「無理です! 一度に いろいろ できねえです!」

鈴鹿「落ち着いて 天野さん。 ほら ウニ食べて。」

アキ「大体 芸能人が 100人もいて 前さ前さ 出ようと ワサワサしてる番組で おらに 何が でき…。 なあ 先輩 出前は!?」

種市「だから…。」

梅頭「行ってこい!」

種市「え? いや だって 開店前なのに…。」

梅頭「何となく 行ってこい。」

鈴鹿「そうよ。 頼まれなくても行きなさい。 不景気なんだから。」

種市「え~? 行ってきます…。」

鈴鹿「期待する気持ちは分かるけど お母さん ちょっと アレね。 一昔前の芸能界の常識に とらわれてるんじゃないかしら。 今は そんな ガツガツすると かえって 引いちゃうもの。」

アキ「欲求不満なんです! あっ すいません。 本題さ 入ります。」

鈴鹿「じゃあ 今までの話は?」

アキ「どうでもいいです。 GMT辞めて『ようやく 恋愛できるべ!』つう事で 勢いついて 種市先輩さ 告白したんです。 そしたら『つきあうべ』って。 つまり 両思いだったんです!」

アキ「ところが 予備校のCMが 決まってしまって 1年間 彼氏つくっちゃ駄目な 契約だったんです。 1年なんて 無理です! もう走りだした 恋の汽車は 止まりゃしねえです! もう 盛りのついた 猫背の雌の猿なんです! どうしたらいいべ!」

鈴鹿「う~ん どうしたらいいかな 大将。 大将。」

梅頭「あ… 確か 出前が あったような気がするな~。」

アキ「鈴鹿さんも アイドルだったんですよね。」

鈴鹿「まあ 25年前はね。」

アキ「恋愛御法度だったんですよね。」

鈴鹿「そうね。」

アキ「どうしてたんですか? その… 欲求不満の方は?」

鈴鹿「まず『欲求不満』って言葉 やめよう。 誤解されるから。 女子は あんまり使わない方がいい。」

アキ「じゃあ 何て言えばいい?」

鈴鹿「恋愛でいいんじゃない?」

アキ「ああ…。」

鈴鹿「適当にやってたわよ。」

アキ「その『適当に』が分がんねえんだ。 どういう事? 隠れて 会ってたって事か? 帽子かぶって マスクして デートしてたって事か? それは つきあってるって 言えるのか?」

鈴鹿「じゃあ つきあうって何?」

アキ「鈴鹿さん やめでよ。 女子中学生じゃあるめえし。 男と つきあった事ねえのか!?」

鈴鹿「あるわよ! 太巻さんと!」

<うわ~ すっかり忘れでだ! この人 太巻さんの元カノだった>

鈴鹿「『潮騒のメモリー』で ブレークしたあとだもの。 悪いけど 今の天野さんより ず~っと ず~っと大事な時期よ。」

アキ「はい。」

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