連続テレビ小説「あまちゃん」127回「おらとママの潮騒のメモリー」

スナック・梨明日

春子「東京帰ろうと思ったら アキは鈴鹿さんに べったりだし もう どうすりゃいいのよって 感じ。」

菅原「こっちさ ずっと いたらいいべ。」

大吉「菅原!」

春子「アキがさ 初めて 自分の手でつかんだ仕事じゃん。 主役だしさ 私がいたら 何か難癖つけてさ 混ぜっ返すしさ ステージママとか言われるしさ。 夏さんは夏さんで『おめ え いつまで いるんだ』って そればっかりだしさ。」

栗原「行ったり来たりすれば いいんじゃないですか?」

吉田「んだ んだ! 実際 そう遠くねえし。」

大吉「遠い近いの問題じゃねえべ。」

春子「え?」

大吉「気持ちの問題だべ 春ちゃん。 なんぼ 北三陸と東京が近くなっても おらと 春ちゃんの気持ちの距離は 変わんねえど。」

吉田「今 誰も駅長の話してませんから。」

春子「1滴で?」

大吉「おら マサと 男の約束を交わしたんだ! だから もう惑わすな! 帰れ 春子! ダイヤの乱れは心の乱れだ!」

吉田「駅長? 駅長 寝てまっだ。」

黒川家

(ジューサーミキサーの音)

鈴鹿「あら おはよう! 起こしちゃった?」

アキ「何してんだ?」

鈴鹿「朝御飯よ。 ちゃんと食べないと 調子出ないからさ。」

アキ「じぇじぇ。」

鈴鹿「撮影あるなしに 関わらず この時間に起きますから。 起きたら 1時間のウオーキングして 熱いお風呂につかって ジュース飲みますから。 はい 飲んで! 鈴鹿スペシャルですから。 喉にもいいのよ。 びっくりするぐらい声が出るから。 ほい ほい! ほい ほい!」

アキ「うわ~っ!」

鈴鹿「うわ~っ! ねっ? 出るでしょ。 行きましょう お父さん 起こしてきて。」

アキ「だまされだ…。」

『潮騒のメモリー』撮影現場

荒巻「はい 本番!」

「本番!」

荒巻「用意 スタート!」

<今日は この間 撮れなかった オープニングの撮影です>

(汽笛)

アキ「うわ~。」

<すごい 映画みでえだ。 いや 映画なんですが 鈴鹿さんがいるだけで 目の前の風景が映画になるのです>

アキ「かっけえ!」

荒巻「はい カット!」

(カチンコの音)

荒巻「『かっけえ』じゃないだろ。『お帰り 母ちゃん』だろ。」

アキ「あっ 回ってたんですか?」

荒巻「あ~! 太陽出ちゃったよ~。」

<『潮騒のメモリー』撮影快調です!>

荒巻「まだ ワンカットも撮ってないよ。」

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