連続テレビ小説「あまちゃん」128回「おらとママの潮騒のメモリー」

TOSHIYA『アキ!』。

種市「天野!」

種市「天野!」

荒巻「カット!」

(カチンコの音)

鈴鹿「どうしたの?」

種市「あ… おすし切りました。」

鈴鹿「ありがとう。」

荒巻「飯後 本番!」

一同「はい!」

種市「天野…。」

アキ「でも 本番は…。」

種市「分がってる。 仕事だもんな。 応援する。」

アキ「帰ってけろ!」

種市「え…。」

水口「帰れよ!」

鈴鹿「帰りなさい。 ありがとう。」

洗面所

<あ~あ こんな事なら もったいつけるんじゃなかった。 チャンスは なんぼでもあったのに>

回想

アキ「ちょっと!」

(おなかが鳴る音)

回想終了

<天野アキ 19歳。 デビュー作で 早くも 壁にぶつかっていました>

喫茶・リアス

(笑い声)

(携帯の着信)

ユイ「もしもし。」

電話・アキ「助けてけろ ユイちゃん 代わってけろ!』

テレビ局
洗面所

アキ「好きでもねえ 今日 初めて 会った人と キ キ… キスしなくちゃなんねえんだ。 できねえべ! なんぼ イケメンでも できるか!?」

喫茶・リアス

弥生「折り返し電話しま~す。」

今野「え?」

弥生「今は 隣さ旦那いるがら やんだ~。 フフフッ。」

今野「うわっ 危ねえ!」

吉田「弥生さん気持ち悪いですよ。」

ユイ「ごめん ごめん。『電話代わってけろ』って 意味じゃないよね。 うん ちょっと ボケてみた。 フフッ。 …で 何?」

テレビ局
洗面所

アキ「だから 好きでもねえ人と…。」

喫茶・リアス

ユイ「好きでもない人と キスしたくないって事は 好きな人がいるって事か。」

(琥珀が落ちる音)

ユイ「そういう事だよね 違うの?」

テレビ局
洗面所

アキ「実は おら つ つ つきあってる人が…。」

喫茶・リアス

ユイ「種市先輩でしょ。」

テレビ局
洗面所

アキ「じぇじぇ! 知ってたのか!?」

喫茶・リアス

ユイ「何となくね。 フフフッ やっと話してくれたね。 …っていうか そんな事で いちいち 泣きながら 電話してこないでよ!」

テレビ局
洗面所

アキ「ごめん…。」

喫茶・リアス

ユイ「…なんてね。 終わったら 優しくしてもらいなよ。 じゃあね。」

テレビ局
洗面所

アキ「うん。 ユイちゃん ありがとう。(ため息)」

鈴鹿「私も ファーストキスは現場だったな。」

アキ「じぇじぇ! って事は…。」

鈴鹿「『潮騒のメモリー』つまり この場面。 嫌で嫌で しかたなかったけど 現場のマネージャーが説得してくれたの。」

回想

荒巻「女優を 続けていくって事はね 好きでもない人を好きになったり 好きな人を傷つけたり 接吻したり 接吻じゃ済まなかったり それを ずっと続けていくって事なんだ。 もし 耐えられないんだったら 今 やめてしまった方がいい。」

荒巻「だって 不自然だろ。 いくら仕事だからって ファンのためだって 自分に嘘つき続ける仕事なんて 普通じゃないよ。 好きな人を裏切って 評価されるなんて おかしいよ。」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク