黒川「震災婚ですね。 はやってるみたいですよ 今。 震災婚とか絆婚とか いうんですって。」
荒巻「何か やだな。」
鈴鹿「え!?」
荒巻「いや しますよ。 震災婚上等。 こうなったら 派手にとは いきませんけども 男として けじめをつけます。」
鈴鹿「どうかしら? 社長。」
春子「どうって 私に聞かれても…。」
鈴鹿「でも さっき『何でもかんでも』って おっしゃったから。」
春子「あっ ごめんなさい。」
黒川「僕は すてきだと思います。」
春子「え?」
黒川「きっかけは 何でもいいんです。 ずっと そばにいて見守ってきた 一番の理解者と 20年越しに結ばれるなんて すてきだと思います。」
水口「あれ 自分を重ね合わせてますよね。」
黒川「女優として アイドルとしてのイメージを 優先して 独身を貫き そんな鈴鹿さんを 太巻さんは 陰ながら サポートして…。 ホント 長い間 御苦労さまでした!(泣き声)」
水口「あ~ 泣いちゃった。」
甲斐「一番関係ないのにね。」
黒川「(泣き声)」
春子「私は よく分からない。」
鈴鹿「分からない?」
春子「はい。 鈴鹿さんのせいで 私は歌手の道を諦めて 結婚して 家庭に入ったんですから。」
荒巻「それは…。」
春子「それは 事実なんです。 もう気にしてませんけど。 だから 鈴鹿さんが捨てた方の人生を 代わりに 歩んできたような。 妻として 母として 家族がいた事で 保っていたんだな 私はって 今 改めて そう感じて びっくりしてます。」
黒川「春子さん…。」
春子「結婚とか おめでたいって 一度も思った事ないけど でも 今 おめでとうって 言いそうな自分に びっくりしてます。」
鈴鹿「私が 歌が下手じゃなかったら?」
春子「いやいや… そうじゃない。 むしろ 音痴だったから 彼と知り合えて アキが生まれたんです! 音痴様々です!」
鈴鹿「フフフッ そうよね。 私が 女優一筋で やってる間に アイドルから 母親になり スナックのママを経て 今や 社長だもの。 あなたの方が目まぐるしいわよね。」
春子「そうですよね。 おめでとうございます。」
鈴鹿「ひどい!『音痴様々』って… あんまりよ。」
春子「ごめんなさい。」
鈴鹿「ウフフッ いいの。」
<音痴発言の是非は ともかく 2人の結婚は明るいニュースとして それなりに 世間を騒がせしましました>
無頼鮨
テレビ・アナウンサー『岩手県大船渡市では 震災後 初めてとなる定置網漁が 今朝 行われ サケや サバなどが水揚げされ…』。
梅頭「種! 手が止まってるぞ。」
種市「あ… すいません。」
梅頭「気になるのか?」
種市「すいません。」
浜
アキ「こんにちは~。」
「こんにちは。」
<そして 8月に入った ある日>
アキ「じぇじぇじぇ!」