観光協会
菅原「栗原ちゃんだったら いけるって。 これ ミス北鉄 狙えるって。」
栗原「駄目駄目 もう若くないし おなか出てるし。」
菅原「ちょっとぐらい 出てる方が いいんだってば。」
栗原「本当?」
菅原「うん ほれ 40歳までの女性だと。」
足立家
<北三陸から 北鉄に乗って 1時間ほど南下した 畑野駅。 袖が浜より もっともっと のどかな村に ユイの家は ありました>
アキ「何じゃ これ?」
ユイ「行こう。」
<ユイの父 足立 功さんは 北三陸高校の元教師で 定年後は 県議会議員を務める 地元の名士。 母 よしえさんは この土地の 人間じゃありません>
リビング
よしえ「あ お帰り。」
ユイ「ただいま!」
よしえ「いらっしゃい!」
<仙台出身の彼女は 短大を卒業後 岩手のテレビ局に アナウンサーとして入社。 足立先生に見初められ 結婚しました>
よしえ「ごゆっくり。」
ユイの部屋
アキ「すげえ家だな! ばあちゃんちとは 大違いだ。」
ユイ「でも ここ村だよ。」
アキ「村かあ。 高校まで 1時間だもんな。」
ユイ「パパは 環境がいいから 住んでるって言うけど 不便だし 早く出たい。」
アキ「東京に?」
ユイ「うん。 本当は お兄ちゃん 当てにしてたんだけど 2か月で 帰ってきちゃったからね。」
アキ「どうして?」
ユイ「まあ 所詮 負け犬体質なんだよね。」
アキ「厳しいね。」
(ノック)
功「パパだよ。」
ユイ「いいよ 入って。」
功「はい。 ああ こんにちは。 え? 君が天野春子さんの 娘さん?」
アキ「アキです よろしく!」
功「ああ。 いや 似てないね。」
アキ「お母さん 有名だったんですか?」
功「天野? そりゃ 知らない人は いなかったよ。」
ユイ「そんなに かわいかったの?」
功「うん。 かわいいのは もちろんだけどもね それ以上に 天野は ツッパリでねえ。」
アキ「?」
功「え アハハ! 分かんないか?」
ユイ「写真ないの?」
功「そう思ってね 卒業アルバム 探したんだけど 考えてみらね 天野 卒業の時には 学校に いなかったんだよ。」
アキ「ああ。」
ユイ「中退したんだ アキちゃんのママ。」
アキ「そうみたい。」
ユイ「え~ かっこいい。」
アキ「かっこいいかな?」
天野家
春子「今日 アキいないよ。」
夏「え? あ~ お呼ばれか。 んで… 2人だけか?」
春子「ああ そうだね。」