浜
ヒロシ「じゃあ いくよ~。」
アキ「はい 初めまして! 天野アキです!」
ヒロシ「ごめん。 まだ回ってない。」
アキ「じぇじぇ!」
ヒロシ「ハハッ びっくりした。 ふだんどおりで いいからね。 自然な感じで。」
アキ「はい! ここは 袖が浜です! 私は 高校さ通いながら こごさ来て 海女やってます 天野アキです! こごは 日本最北端の海女の漁場で こごの海女さんは 北の海女って呼ばれてます! ウニが取れます!]
アキ「でも 私は まだ ウニを取った事 ねえです。 じぇじぇ。 あっ 今のは 袖が浜の方言です。 こっちの人は びっくりした時に『じぇじぇ』って言います。 もっと びっくりした時は『じぇじぇじぇ』。 もっと もっと びっくりした時は『じぇじぇじぇじぇj』というふうに『じぇ』が増えます! 何しゃべるんでしたっけ?」
ヒロシ「北三陸の魅力。」
アキ「あ~ んだんだ! まず ウニが超うめえ!」
夏「うわっ!」
アキ「じぇじぇじぇじぇ! びっくりした~!」
夏「何やってんだ おめえ。」
アキ「インタビューだ。」
夏「組合長から でっけえサザエもらったど!」
アキ「じぇじぇじぇ!」
夏「エッヘッヘッ 焼くど! 早く来ねえと無くなるど!」
アキ「行ぐ 行ぐ 行ぐ!」
ヒロシ「インタビュー…。」
観光協会
アキ『私は 高校さ通いながら こごさ来て 海女やってます 天野アキです! 海女やってます。 天野アキです! ここは 日本の最北端…』。
アキ『私は 高校さ通いながら こごさ来て 海女やってます 天野アキです!』。
アキ『天野アキです! 天野アキです! 天野アキです! 天野アキです! こごの海女さんは 北の海女って呼ばれてます! はい! ここは 袖が浜です! 私は 高校さ通いながら こごさ来て 海女やってます。 天野アキです!』。
スナック・梨明日
春子「ああ いらっしゃい。」
弥生「いらっしゃ~い。」
大吉「おっ どうした? 観光協会のウェブ担当!」
春子「何飲む? ビール?」
ヒロシ「やっぱ好きです! やっぱ 俺 好きみたいです!」
大吉「てめえ 若造 この俺を差し置いて!」
ヒロシ「駄目ですか!?」
大吉「駄目に決まってんだろ てめえ 年 なんぼ離れてると思ってんだ!?」
春子「私じゃないわよ!」
大吉「え?」
ヒロシ「え… 私?」
弥生「違う!」
春子「アキでしょ?」
弥生「あ~ びっくりした。 夢かと思ったわよ。 あれ? びっくりして 標準語になっちゃったわよ。」
春子「やっぱ そうなんだ。 そうじゃないかなとは思ってたけど。」
ヒロシ「すいません。 いや 何か 昼間 撮った インタビュー編集してたら 何か たまんない気持ちに なっちゃって…。 本人に告げる前に お母さんに 探り入れておこうっていうか。 お母さんの方が近かったんで。 すいません。」
春子「うん。 そんで?」