連続テレビ小説「あまちゃん」21回「おら、ウニが獲りてぇ」

漁協

かつ枝「しゃあねえべ アキ。 あの客は おめえに取ってほしくて 遠ぐがら来たんだから。 だから 今年は 安部ちゃんが取って 海の中から こっそり渡す…。」

アキ「そんなのインチキだべ!」

弥生「インチキなんて人聞きの悪い…。」

アキ「安部ちゃんが取ったウニを 自分が取ったような顔して お客さんに出すなんて できません。 それじゃ 安部ちゃん まるで落ち武者だべ!」

安部「私の事は気にしなくていいから みんな 最初は そうだったんだから。」

アキ「そうなの?」

安部「うん。」

美寿々「んだよ。 安部ちゃんも私も 最初は 夏ばっぱに助けてもらった。」

夏「男っつうのは 単純で正直だからよ。 同じ値段なら 若くて めんこい娘っ子に 取ってもらいでえもんだ。」

一同「んだんだ。」

アキ「でも それじゃあ 安部ちゃんに悪いべ。」

夏「何も安部ちゃんは おめえのために やった訳で ねえんだ。」

アキ「じゃあ 何のために?」

夏「アキ おめえ 何か 勘違いしてんじゃねえのか?」

アキ「え?」

夏「観光海女は接客業。 サービス業なんだど。」

アキ「サービス業?」

夏「お客さんを第一に考え サービスする。 それが基本だ。 自分で取りてえとか 安部ちゃんに悪いとか そんなん知ったこっちゃねえ。 サービスする。 喜んでもらう。 また来てもらう。 おららが考えるのは その事だけだ。 ウニは銭。 海女は サービス業。 分かったな。」

長内「影武者でねえか?」

安部「うん?」

長内「落ち武者じゃなくて 安部ちゃんは アキちゃんの影武者でねえか? 落ち武者じゃなくて。 まあ どっちでもいいか。」

<海女は サービス業。 その言葉は アキの背中に 重く のしかかりました>

<今まで アキは 自分のために 潜っているつもりでした。 楽しいから潜る。 海が好きだから潜る。 でも それだけじゃ 一人前の海女には なれない>

<その点 ユイちゃんは プロでした。 さすが アイドルを目指すだけあって サービスに徹しているように 見えました>

ユイ「あ… あの もし よかったら 海女のアキちゃんも一緒にどう?」

アキ「私は いいから…。」

<あまちゃんと海女さんの間で アキは今 揺れていました>

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