連続テレビ小説「あまちゃん」24回「おら、ウニが獲りてぇ」

長内「この辺でどうだ? 安部ちゃん。」

安部「いいんでねえか!」

長内「そっちは?」

かつ枝「いいど!」

長内「よ~し! ほんでは 2時間勝負だ!」

(サイレン)

安部「やあ!」

アキ(心の声)『すんげえ みんな本気だ。』

<本気獲りとは 3か月間 観光海女として働いた 海女さんたちにとって ちょっとした ボーナスです。 ふだんは ウニが いなくならねえように 加減しながら 取ってますが この日ばかりは 取りたいだけ 取ってようのです>

長内「みんな すげえべ。」

アキ「うん。」

長内「取ったウニは 今日のうちに売って 換金すんだから そりゃ必死だべ!」

監視小屋

春子「びっくりした!」

夏「何やってんだべ おめえ。」

春子「いいでしょ 別に。」

夏「貸せ 貸せ!」

春子「駄目だって。 私が 見てんだから。」

夏「ああ…。」

春子「ねえ 何で譲ったのよ。」

夏「あ?」

春子「私が潜ってた時には 絶対 代わってくれなかったのにさ。」

夏「さあな 年だからだべ? 入ったが?」

春子「まだです。」

<まるで いつもとは 違う スイッチが入ったように 真剣な まなざしで 漁を続ける海女たち。 溺れても 流されても 今日は 助けてもらえないんだ。 そう思うと 足がすくんで 動けませんでした>

長内「どうする アキちゃん。」

アキ「え?」

長内「おっかねえなら やめといた方が いいぞ。 いつもお潜ってる海とは 全く別物だから。 潮も速いし 水温も低い。 ベテランでも 溺れる事あっからね。」

監視小屋

春子「お! 立った。」

夏「貸せ!」

春子「ちょっと あ もう!」

長内「行くのが?」

アキ「うん!」

長内「大丈夫か?」

アキ「うん。 安部ちゃんと 約束したんだ。 自分の力で ウニ取って 一人前の海女さ なるんだ。 あ しゃっこい!」

長内「心配すんな! 何かあったら すぐ投げっから。」

監視小屋

夏「潜った!」

春子「嘘! ちょっと返してよ。 それ。 貸してよ! ちょっと見して ちょっと見して! もう ちょっと ちょっと!」

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