連続テレビ小説「あまちゃん」26回「おら、先輩が好きだ!」

北鉄

夏「今日は おめえらのおかげで 忙しかった~。 ハハハッ。」

アキ「うん。」

ユイ「どうしたの?」

アキ「何でもねえ。」

スナック・梨明日

大吉「確かに 観光客の多くは アキちゃんとユイちゃんと 鉄道目当てだ。 それは否定しねえ。 でも あくまでも きっかけだ。 そこから どう広げていくか それが町おこしの課題さ。」

菅原「う~ん でも いつまでも 女子高生2人に おんぶに だっこってのも まずいべな。」

大吉「おらだって 最初は抵抗あったさ。 ああいう やや偏った客層を 相手にするべきかどうか。 北鉄のユイちゃんや 海女のアキちゃんを 主人公にした漫画を 勝手に描いて 持ってくるような輩と 真剣に向き合っていくべきなのか。」

春子「え~。」

菅原「これ 中身は 意外に普通でした。 まあ とにかく 先輩も おらも 最初は オタクっていう人種さ 偏見ば持ってた。」

菅原「ところが ちゃんと話してみたら 素直だし 真面目だし マナーも きっちりしてる。 まあ 動機は ともかく わんどが生まれ育ったことさ あんなに大勢の人が 来てくれるってのは それだけで うれしいべ。」

春子「そういうもんかな…。」

大吉「今日 ホームさ 人が あふれてるのを見て おら 開通式の日の事を 思い出した。」

春子「開通式?」

大吉「1984年7月1日 春ちゃんが出ていった日の事さ。」

回想

1984年(昭和59年)

春子「もう どいてよ! 邪魔!」

大吉『あの日が この町のピークだった。』

(歓声)

大吉『あんな事は 二度と起こらねえ。 いや… あれは夢だったと 半ば諦めてた。 ところが 今日 もう一度 奇跡が起こった。』

吉田「こりゃ まさに うれしい悲鳴ですね。」

大吉「ああ。 うれしい じぇじぇだ!」

回想終了

大吉「まるで 24年前の あの日みてえだった。 何だっけ? こういうの…。 ほら 何とかって言うべ。 まめぶじゃんくて…。」

春子「デジャビュ?」

大吉「あっ んだ。 デジャビュだ。」

春子「あれ?」

大吉「開通式に出てって春ちゃんが アキちゃん連れて帰ってきて そのアキちゃんが海女になって 観光客いっぺえ呼んで こんなに うれしい事はねえべ。」

春子「…っていうか 菅原君は?」

大吉「先に帰った。 先輩からの無言の圧力を感じてな。」

大吉「春ちゃん! 帰ってきてくれて 本当に ありがとう。」

春子「ちょっと 何それ? やめてよ もう…。 あれ? 菅原君は 菅原君?」

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