連続テレビ小説「あまちゃん」37回「おらのママに歴史あり」

天野家

アキ「ウニが68匹 ウニが69匹…。」

<案の定 アキは眠れませんでした>

アキ「ウニが72匹…。」

<にわかに信じ難い。 元スケバンのやさぐれ者 春子が その昔 アイドル歌手を 目指していたとは…。 でも 確かに思い当たる節はある>

回想

春子「『海女になりたい』って 言いだして ちょっと壁にぶつかったら 今度は何? アイドル? くっだらない。」

回想終了

アキ「ウニ135匹 ウニ136匹…。」

<そうだ。 春子は徹底して アイドルを毛嫌いしていた。 事あるごとに アイドル的ポジションを否定した>

回想

春子「駅弁売ったり ちやほやされたり 写真撮られたり そんな事するために ここで暮らしてるの?」

春子「アキは 観光協会や 北鉄のオモチャじゃないの。」

春子「危ない輩の危ない攻撃に 四六時中 苦しめられて 一生 日陰を歩く覚悟が あんたたちに できるてるの?」

回想終了

<あの異常な警戒心も被害妄想も かつて 自分が 芸能界に憧れていたとしたら…>

アキ「ウニ725匹…。」

(目覚まし時計の音)

春子「いつまで寝てんの? どいて!」

黒川「ああ… おはよう。」

忠兵衛「そったら怒んなよ 春ちゃん。」

春子「怒ってません!」

<そういえば アキは 母の歌を聴いた記憶がありません>

学校

ユイ「一度も!?」

アキ「一度も。」

ユイ「童謡とか 子守唄とか 鼻歌も?」

アキ「ない。」

ユイ「ラップも? ねえ ラップは?」

アキ「しない。 えっ ラップする? お母さん。」

ユイ「しない。」

アキ「だよね。」

ユイ「でも 昔は違ったみたいだよ。」

アキ「えっ?」

ユイ「パパに聞いちゃった。 アキちゃんのお母さん 昔 のど自慢で優勝したんだって。」

アキ「じぇじぇじぇ!」

足立家

功「あった あった あった! あったよ! 入るよ! お~ ハッハッハッハッ。 ほら~。」

アキ「じぇじぇ!」

功「これがね 高1の春 それから 秋。」

功「え~っと これがね 高2の春。 これは 宮古のカラオケ大会で 優勝した時。」

アキ「へえ~!」

功「これはね 盛岡。 この時はね 百恵ちゃん 歌ったんだ。」

ユイ「すご~い。 こんなに?」

功「コンテスト荒らしだったんだよ 天野。」

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