喫茶・リアス
夏「60過ぎて 愛妻弁当作るとは 思わねがった。 ヘヘヘッ…。 来月辺り 温泉さでも行くべってな。 ちょっと これ これ。」
かつ枝「あ~ ここな。」
弥生「その年で 恋人気分でいられるなんてよ。 おらも漁師と結婚すれば いがったなあ!」
かつ枝「無理 無理 無理!」
今野「ほれ この間 行ったべ。」
かつ枝「ところで 勉さん その人誰だい?」
勉「やっと 気付いた。 あのね 何て言うか 弟子。」
一同「弟子!?」
水口「ご挨拶遅れて すいません。 今日から 勉さんのところに 弟子入りする事になりました 水口琢磨と申します。」
勉「ゆうべ いきなり訪ねてきさ 琥珀の魅力について 朝まで語り明かしたんです。」
水口「大学で 考古学を勉強していたんです。」
弥生「怪しい。」
勉「怪しい?」
弥生「琥珀掘りたいなんて言う 若者 いるはずねえ。 さては おめえ スパイだな!?」
今野「やめろって 恥ずかしい。 ごめんね おにいさん。 八戸から来た スパイだな!? 町おこしのアイデア 探りに来たんだべ!」
吉田「仮に スパイだとして 勉さんの近くにいて 何か メリットありますか?」
かつ枝「ねえな。」
(笑い声)
かつ枝「何も しゃべんねえもんな。」
弥生「冗談だ 冗談。 よろしくな。」
(笑い声)
海
忠兵衛「それ!」
<朝 おとうさんは 誰よりも早く起きて 海へ出ます>
<そして 朝御飯を食べ お弁当を持って 出かけていきます>
<買い物がてら 春子は 父の様子を見に行きました>
サンデイマート
主任「これも ここも これも。」
忠兵衛「いや~ いくらなんでも 半額はねえべ。」
主任「だから 四の五の言わずに シール貼って下さいよ! タイムセールなんだから!」
忠兵衛「いや こっちの赤身なんか まだ 鮮度落ちてねえべよ!」
主任「そういう問題じゃなくて! 日付が同じものは 同じ値段じゃないと 消費者から クレームがつくんです!」
忠兵衛「いやいや 食べてみりゃ分かるって!」
主任「食べてから分かっちゃ遅いの! 半額じゃないと買わないから!」
忠兵衛「でも この赤身半額にしたら 漁師が泣ぐって!」
主任「ここ スーパーですから! 漁師の気持ちは置いといて 仕事して! しっかりやって! はあ~。」
主任「面倒くせえ じじいだな~!」
天野家
春子「お父さん。 ねえ お父さん。 お父さん!」
忠兵衛「うん?」
春子「私 そろそろ お店行くね。」
忠兵衛「うん。」
春子「おでん作ってあるから お母さんと一緒に食べて。」
忠兵衛「は~い。」
春子「じゃ 行ってきま~す。」
忠兵衛「は~い…。」
アキ「じいちゃん じんちゃん 英語分かる?」
忠兵衛「おお 当たり前だ。 アイ コール ポリスマン! カミング スーン!」
アキ「すごい すご~い!」
忠兵衛「まあな。 俺の英語は カナダなまりだけどな。」
アキ「じぇじぇ! なして?」
忠兵衛「英語圏では カナダの女が 一番 積極的なのさ。 見るか? カナダからの手紙。」
アキ「見ない! ねえ この英文 どういう意味?」
忠兵衛「どれどれ? あ~…。『ウィー アー リビング イン ザ モータリゼーション ソサエティー』。」
喫茶・リアス
夏「やっぱし 日帰りにすっかなあ…。」
ヒロシ「いやいや 泊まりの方が のんびりできますよ。 ほら 60歳以上は2割引きだっし。」
大吉「きた!」
アキ「アキも行ぐ アキも行ぐ アキも行ぐ!」
大吉「駄目だ 新婚旅行以来なんだから 2人で行かせてやれ。」
夏「新婚旅行も日帰りだったんだよ。」
アキ「じぇじぇじぇ! 貧乏くせえ。」
(電話の呼び鈴)
夏「はい リアス。 え… えっ? こっちには来てねえけど。 あら! あらららら…。 すみません。 ちょっと お待ち下さい。」
大吉「誰だ?」
夏「スーパーの主任なんだけど…。 とうちゃん いなくなったって。」
大吉「何?」