連続テレビ小説「あまちゃん」42回「おらのママに歴史あり」

北三陸駅

アキ「はい おじいちゃん。」

忠兵衛「おう ありがとう。」

アキ「はい ユイちゃん。」

ユイ「ありがとう!」

(発車のベル)

忠兵衛「いいのか? 高校生 最終出るぞ。」

アキ「大丈夫 おら 大吉さんに 送ってもらう。」

ユイ「うちも パパがいるから大丈夫。」

忠兵衛「そうか。」

アキ「ねえ じいちゃん。 遠洋漁業って面白(おもしれ)え?」

忠兵衛「え? 何だ いきなり。」

アキ「だって 船の上 ずっといるんでしょ? 退屈しねえの?」

忠兵衛「するさ そりゃ。 ものすげえ ストレスだ。 男ばっかり 四六時中 顔 突き合わせてよ 飯も ほぼ毎日一緒 狭いベッドさ 横になっても 疲れ取れねえ。」

ユイ「私 無理 絶対。」

忠兵衛「俺も無理だ。 ハハハ!」

アキ「じゃあ なして行ぐの?」

忠兵衛「余計な事 考えなくて済むからな。」

アキ「余計な事?」

忠兵衛「陸さ いる限り おら日本人だ。 日本の常識で 量られるべ。 んでも 海は 世界中つながってるべ。」

忠兵衛「中国の鳥だからって 中国語しゃべる訳じゃあねえ。 アメリかのマグロも 英語しゃべんねえ。 だから おらも 日本語しゃべんねえ。 マグロは魚類。 鴎は鳥類。 おらあ人類だ。」

アキ「かっけえ!」

忠兵衛「ん? 何。」

ユイ「かっこいいって 言ったんです。」

忠兵衛「ほらな 日本語も 分からなくなってる。 ヘヘヘヘ! もう どこで死んでも一緒だべ。」

アキ「死んじゃ駄目だよ!」

忠兵衛「アキ 北三陸が好きか?」

アキ「うん おら ここが一番好きだ。」

忠兵衛「そうか。 アキが そこまで言うんだったら 帰ってくるべ。」

アキ「副駅長 ちょっと 売店開げて。」

吉田「え? 閉めたばっかり なんですけど。」

アキ「おじいちゃんに プレゼント買うの。 おじいちゃん! ありがとう! これ あげる。」

吉田「おう 何だ? こりゃ。」

アキ「手首さ巻くの。 お守り。 自然に切れる時 願い事が かなうんだって。」

忠兵衛「ああ 漁協で おばちゃんたちが編んでる。」

ユイ「それ言っちゃ駄目! 効き目が薄れるから。」

忠兵衛「ん? 願い事か 特にねえな。」

ユイ「まあ いいんじゃん。 それ見たら 家族の事 思い出せるし。」

アキ「そうだね。 おそろいだしね。」

黒川「アキ 大変! 大変!」

アキ「何?」

黒川「ママが カラオケ歌うって言ってる。」

アキ「じぇじぇじぇ!」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク